公務員叩きに物申す!−現職公務員の妄言 システム運用保守に、後期高齢者医療制度に、公務員叩き批判に、行政改革に、福祉行政に、ITに、WEB2.0に、SNS管理に、VBに、Scriptに、情報セキュリティに、IPネットワークに、SEOに、ほんの少し家族サービスなブログ。

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 レセプトオンラインの話に移る前に、まずこの国の現状を説明せねばならない。

 保険診療が行われた際、医療機関が患者負担額を控除した額を審査支払機関を通じて健康保険に請求し、その請求書はレセプトといい、医科点数表をもとにしていることは既に述べた。
 http://genshoku.blog69.fc2.com/blog-entry-5.html

 レセプトは紙でも電子媒体でも請求が可能である。
 カルテとレセプトは根本的に違うものであり、どんな小さな診療所でも、これらを全て手管理と言うことはまずない。
 大抵はカルテからレセプトを作成するためのコンピューター(レセコン)を用いているものである。
 ところが、レセプトを電子媒体で提出している診療所はほとんど無い。電子レセプトを採用しているのは、大病院(約25%)か保険調剤薬局(約60%)ぐらいのものである。 
 
 さて、レセプトが審査支払機関に提出されると、そこでまず一次審査が行われる。
 これは請求内容が保険診療として相応しいかどうかをチェックするわけであるが、そのチェックは人の眼による目視である。
 たとえ電子レセでも、紙のかわりにオンライン画面をみるだけであって、機械的にデータに対するロジカルチェックを行うわけではない。
 だからチェックの甘い辛いが発生するし、漏れも出る。

 一次審査を通過すると、とりあえず保険診療が認められる。
 すなわち、審査支払機関から医療機関に診療報酬が支払われ、その代金は保険者に請求することになる。そして請求書たるレセプトが保険者に送られることになる。
 
 ここで保険者に送られるレセプトは、原則、紙である。だから病院から電子レセプトで請求があっても、わざわざ紙に印刷しているわけである。
 数年前から電子データによる保険者送付も可能となったが、キー項目に画像データを紐付けただけという、データベースとしてはどうにもならないシロモノである。

 さて、保険者は原則紙ベースでレセプトを受け取り、審査支払機関では行わないチェックを行う。すなわち、入院前後の数ヶ月を串刺しする縦覧点検と、院外処方箋を出した病院のレセプトと保険調剤薬局のレセプトを突合してチェックを行う調剤突合点検がメインとなる。点検の結果、問題がありそうなものについては、審査支払機関に再審査申出を行うことになる。
 保険者における縦覧点検と調剤突合点検は、いずれも連名簿というレセプト一覧表を参考にして、手作業で対象レセプトを捜索、抽出し、目視で点検するというとてもアナログなやり方である。非効率なのは言うまでも無い。
 (なお医薬分業の理念自体は別のところにあり、保険診療のチェックを行いにくくすることが主目的ではない。また個人的に縦覧点検の効果には疑問があるが、それは蛇足である)
 ちなみに連名簿自体は電子化されており、データベース足りうるが、レセプトの具体的な中身までは入っていない。

 つまり、病院、審査支払機関、保険者、それぞれが各々の仕事のために電算化を実現しているが、データベースやコードにおいて互換はなく、ときに電子→紙→電子といった非常に非効率な情報伝達の方法を取っている。

 要するに、日本の医療保険請求の電子化状況は、このようなていたらくである。

 なぜこのような状況かと言えば、三師会の圧力が大きい。
 三師会とは医師会、歯科医師会、薬剤師会のことである。2年前の中協医汚職事件が記憶に新しいが、政界や中央省庁とただならぬ繋がりがあるのは言うまでも無い。
 日本で医療保険請求の電子化に、ことあるごとに歯止めを掛けてきたのはこれら三師会なのであり、前述の「保険者への電子レセ送付」を骨抜きにしてしまったのも例に漏れず医師会等の圧力によるものである。
 反対の理由としては「医師各個人の裁量の自由を奪い、画一的な基準によって云々かんぬん」といった内容だったと思う。
 しかし、実際のところ保険者による査定の大半は傷病名漏れなどの要するに「記載不備」や、この項目とこの項目は同時に請求できないといった「請求内容の不備」であり、診療内容まで切り込んでザックリやるというのは余りお目にかかったことが無い。
 もっともらしい理由をかかげてはいるが、要するに「彼ら」にとって保険者や審査支払機関のチェックがやりにくい方が都合が良いのだ。
 どうにも筋が通らないことである。

 あいにく、マスコミは公務員叩きにばかり執着して、このような部分には触れてくれない。非常に残念である。

** 追記 **

 6月25日、記事を一部修正しました(保険者における点検)。
 7月6日、カテゴリーを修正しました。




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タグリスト: レセプト, IT化, 医療制度改革,
 新制度とはいうが、老人にはもともと別立ての保険がある。
 老人保健(保険ではない)というものだ。

 老人は若者の何倍もの医療費がかかる。
 だから国や自治体と保険者が金を出し合い、保険者が単独で運営するよりも老人に負担がかからないようにする仕組みだ。
 老人は国保や社会保険など、何らかの公的医療保険に加入しつつ、老人保健にも加入し、
 病院にかかった出来高に応じて各保険者が負担する仕組みである。

 だが、この制度は破綻しつつある。
 当初の予想以上に老人の医療費がかさみだしたからである。
 それにもともと市町村の国民健康保険と社会保険との不均衡もある。
 (老人は国保加入者が圧倒的に多いのである)

 とりあえず、平成14年に変革があった。
 今まで一律全員1割だった自己負担区分に新たに2割を設け、対象年齢を70歳以上から75歳以上に引き上げ、国や自治体の負担する割合を徐々に引き上げた。
 だが、それでも根本的な解決には至らない。
 だから「新」高齢者医療制度が必要となったわけである。
 
 従来の老人保健と異なり、新保険は独立した保険だ。
 だから、対象老人はもはや国保や社保といった区別は無くなる。
 そして新保険のための保険料が老人から徴収される。これは介護同様、年金天引きである。
 今まで社会保険の家族の扶養に入っていたものは、新たな負担となるわけだ。
 その保険料だけでは足りないから、国保や社保、そして国や自治体からも資金が投入される。
 74歳までの前期高齢者からも年金天引きで、負担が強要されるだけではなく、若年者からも、社会連帯的な保険料を徴収することとしている。
 文字通り社会全体を巻き込んだ制度だ。
 老人でないから自分には関係ないという認識は誤りである。

 その運営主体は、都道府県単位で設置される「広域連合」という特別な地方自治体である。
 しかし、都道府県はその設立準備が円滑に進むよう支援することとされつつも、広域連合自体は区域内の市町村によるものであり、都道府県は加入が義務付けられていない。
 都道府県と市町村が責任を押し付けあった結果である。
 ようするに都道府県は他人事である。これではまとまるものも、まとまるまい。
 大規模なシステム開発も必要となるだろう。しかし期間は余りに短く、分かっていることは余りに少ない。

 前途多難である。

** 追記 **

 7月6日、カテゴリーを修正しました。
10月8日、「都道府県は加入しない。」との表現を「都道府県は加入が義務付けられていない。」に改めました。




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タグリスト: 医療制度改革, 後期高齢者医療制度, 広域連合,
 病院の診療報酬は看護師の数のみならず、患者の平均入院日数によっても大きく左右される。
 その具体的なその算出式は、

 平均在院日数 = 在院患者延べ数 ÷ (新入院患者数+退院患者数)×2

 というものである。
 一番成績のいい病院は平均在院日数20日未満であるが、これがどれくらいの数字かと言うと、100床の病院でベッドが常に一杯の場合、1日あたり5人以上を退院させなければ達成できない数字ということになる。
 並大抵の努力では達成できない。事実、一部の病院では患者の容態が安定しないうちから退院勧告をされるようなケースもある。

 極端なケースでは、病院がわざとベッドをあけることもあるそうだ。分母を大きく出来ないなら、分子を小さくしてしまえという発想である。
 本来入院できるところが入院できなくなるわけだから、こういう状態が患者にとってのぞましいはずもない。
 そして厚生労働省の目論見ともまったく正反対の結果になるわけであり、もちろん病院にとっても苦肉の策である。
よく使われる言葉で三方一両損というのがあるが、これは全く正反対の例である。

 ともあれ、厚生労働省の胸算用は時として思わぬ結果をもたらすことになる。

 では今度の医療制度改正の胸算用はどんな按配であろうか?

 老人は3か月で病院を追い出されるとよく言われる。
 それは今まで、老人の医科点数表において、90日を超えると入院基本料が大幅に減額されていたからだ。
 この残酷かつ強力なルールによって、長期入院の老人は、一般病床から療養病床、あるいは介護へと強制移動させられてきた。
 この点数設定はこれからも変わらない。
 だが7月からの療養病床の診療報酬は、悪名高き「老人90日超えの入院基本料」より採算が取れないかもしれない。
 しかも、老人が入院90日を超えると平均在院日数の算出から除かれるという除外規定がある。
 更には、療養病床に行くことにより、患者の食事代や部屋代が大幅にアップするのである。
 加えて、将来的な療養病床の大幅削減計画がある。

 これでは老人は確実に一般病床に滞る。

 社会的入院は、一般病床から療養病床、そして介護へのスムーズな患者の流れを作ることにより解消される。
 だが、今度の改正は、そのパイプの真ん中を絞るというものだ。
 果たして道を細くすることで高速道路の渋滞を緩和できるのであろうか?
 正しき方策は出口の料金所を広くすることであり、そしてこれは「介護」のことに他ならない。

 「受け皿なき改革」は、病院も患者も不幸にするだけである。

** 追記 **

 7月6日、カテゴリーを修正しました。

 記事中の「老人が入院90日を超えると平均在院日数の算出から除かれるという除外規定」は7月から適用されないことが後に判明しました。




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タグリスト: 医療制度改革, 療養病床,
 「療養病床」というのは余り聞きなれない言葉かもしれないが、最近は医療制度改革関係の報道で耳にする機会が多いのではなかろうか。
 医療制度改革に盛り込まれているのは、以下の2点である。

 ・療養病床の食費と居住費の見直し
 ・介護型療養病床の廃止


 では、療養病床とは一体全体なんぞや、ということだが、マスコミの報道などではただ漠然と長期入院と表現されていることが多いと思う。
 簡単に説明すると、厚生労働省が定めた病床区分の1つであり、その狙いはズバリ医療費の削減である。病院のベッドに「療養病床」をはじめとした区分を設け、病院の機能分化を促進し、社会的入院を解消して、結果として全体の医療費を圧縮する、というのが目的といえる。
 題目だけ見るとすばらしいが、実際の医療の現場では、様々な歪みや問題を生ずる原因ともなっている。それはおいおい説明して行こうと思う。

 「療養病床」の歴史は比較的新しい。平成4年の医療法改正で入院病床に一般病床と区別して「療養型病床群」というものができたが、これが元である。
 病床区分は平成13年3月第4次医療法改正の結果、「精神」「結核」「感染症」「一般」「療養」の5つの区分にわかれ、そして療養病床については、平成12年4月の介護保険法施行の結果、従来からの医療保険型と、介護保険型の、2種類に分かれることになった。
 とりあえず、「一般病床」と「医療型療養病床」の2つに絞って話を進めていくことにする。

 「一般」と「療養」の違いを簡単に説明すると、「一般」が急性期(注1)、「療養」が慢性期(注2)の治療に使用するべきベッドということになる。
 さて、医療費の無駄を語るうえで、常にやり玉に挙げられるのは「社会的入院」である。
 一番望ましくない状態は、緊急の治療の必要の無い患者が、家族が面倒を見ることができないという事情で、いつまでも退院せずにベッドを占領し、そのため本当に治療が必要な方が即座に入院できず、また結果として医療費自体もかさんでしまう、こういう状態である。
 簡単に言えば、「社会的入院」とは、介護を必要とするけど医療はあまり必要としない患者が医療のベッドを占有し続けること。ということになる。
 そういった患者は介護入所施設や在宅で面倒を見てもらうのが一番望ましいが、老人が入院し治療を受けて、峠を越して容態が安定したら、即「介護へ移ってください」というのも無茶な話である。
 その猶予期間的な意味合いで、一般病床と介護保険との間に療養病床が設けられていると言える。

 さて、「療養病床」を語る上で、診療報酬の問題は避けて通れない。
 医療機関は健康保険に基づく医療を患者に提供した場合、保険証の内容とカルテの内容から、診療報酬明細書(俗にレセプトと呼ばれる)を提出し、医療費の7割(老人は8割から9割)を健康保険の保険者に請求することになる。
 もちろん、どういう治療を行ったら幾ら請求できるか、というのは決まりがある。
 いわゆる「医科点数表」というものであるが、正式には「健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法」、老人のほうは「老人保健法の規定による医療に要する費用の額の算定に関する基準」という長ったらしい名前の告示である。法律でも政令でもない単なる告示なのであるが、これのおかげで医療機関や自治体が散々振り回され、これがために医師会という圧力団体が存在し、またこの暗号のような内容を読み解くための「医療事務」という資格があるわけで、なかなか一筋縄ではいかない、厄介な存在である。

 患者を入院させた際の医療機関の診療報酬は、入院基本料という名のベースの定額部分と、それ以外の検査、処置、投薬などの出来高部分に分かれる。
 入院基本料は基本料といいつつも、その算出方法は非常に複雑である。一般・療養といった病床の区分、看護師の量や平均在院日数や正看護師の比率などによって決まる施設のランク(施設基準)、更には入院日数も考慮して決められることになる。

 なお、今年4月の診療報酬改定で看護師に関する基準が極めて厳しくなり、看護師の引き抜き合戦が起こったり、廃業に追い込まれる病院が続出しているのはあまり知られていない。看護師の転職が多くなり、ベテランやリーダーが育たないというのも悪影響も懸念される。
 この話題については別の機会に話そうと思う。

 さて、診療報酬点数そのものをあげると煩雑になるため、概略的な話で済まそうと思う。

 まず入院基本料は、看護師が患者何人に対し1人か、ということで、7対1、10対1、13対1、15対1、それ以下の5ランクに分かれている。
 病院が7対1などの上位ランクを得るためには、看護師の人数に加え、正看護師の比率や入院日数等、厳しい条件をクリアせねばならない。
 いわば病院の格付けがされているわけである。厳しい基準を満たして優秀な医療機関と認められれば、リターンも大きくなるという仕組みなのだ。
 これに加え、入院日数も影響する。入院初期の、手厚い治療が必要な時期にはボーナスが加えられる。逆に180日を超えると病院と患者、両方にペナルティがある。
 つまり、病院にとっては、患者を集中的に治療してすぐに退院させ、空いたベッドに別の患者を受け入れる、つまりベッドの回転率を上げる手法が最も診療報酬が高くなり、また病院のランクも上がって良いこと尽くめという構図が見えてくる。

 一方で、療養病床の方はだいぶ毛色が違う。今年7月から改定される施設基準によれば、患者に提供する医療の内容と患者のADL支援レベル(注3)により、5段階(特別も含め6段階?)となる。
 合計平均在院日数や入院日数での縛りはない。一般と療養で一番高い入院基本料同士で比較すると、療養の方が高い。
 入院日数などの縛りもないため、随分お得な感じがするが、療養病床の最高ランクは急性期に匹敵する24時間体制の管理を必要とする状態で、今まで比較的医療の必要性が低い療養病床でこのような体制がとれるとは考えづらい。
 つまり、大半は一般より安くなると予想できる。
 更に、療養病床の診療報酬点数は包括である。包括とは何かというと、特別なものを除き、検査、処置、投薬などの普通は出来高の部分が含まれており、追加報酬として認められないということだ。
 DPC(注4)然り、今や包括が流行であるが、乱暴な言い方をすれば、患者に手厚い医療を提供しても儲からない、検査や処置をしてもしなくても同じということである。
 誤解を恐れず言えば、良心的な病院ほど馬鹿を見る構図とも言える。
 こうした事情から、療養病床の診療報酬は潜在的な問題をいくつか抱えていることになる。
(続く)

****
 なお、この情報は平成18年6月初旬の情報に基づく。
 平成18年7月1日からの施設基準についての告示が6月16日に出た(らしい)が、その内容は反映させていない。
 しかし、全国の医療機関に2週間程度で体制を変えろというのは、相変わらず厚生労働省は現場を無視しているのが良く分かる。

注1 一般には病気の発症直後や、症状の変化が激しい時期のことで、容態が安定するまでの集中的な治療が必要な時期を言う。
注2 急性期を脱した状態。症状はあるものの、集中的な治療は必要ない(あるいは役に立たない)
注3 日常生活動作にどれだけの支援が必要かを表す目安。今回の療養病床については、「ベッド上可動性」「移乗」「食事」「トイレ」の4項目からなる。
注4 Diagnosis Procedure Combinationの略。病気と病状を基に定めたれた包括部分と出来高部分を組み合わせた算定方式。

** 追記 **

 7月6日、カテゴリーを修正しました。




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タグリスト: 医療制度改革, 療養病床,
 まず、新聞各社の見出しを飾ったこのテーマから取り上げようと思う。
 負担増、というが具体的にはどれくらいなのであろうか?
 
 以下の図を見ていただきたい。(クリックすると大きくなります) 

一部負担金

 世帯の医療費の上限について、今年の10月から負担がどのように変わるかを表した図である。もしこの額を超えて医療費を負担した場合、高額医療費として役所から払い戻しがある。
 ただし、入院した場合の食事代(標準負担額)や差額室料など、保険適用でない部分についてはこの額に含めることができないので注意が必要である。

 さて、中身を見ていくと、
 まず低所得というのは住民税が非課税の世帯であり、こうした老人には負担の増加は全く無い。
 所得が一般の世帯については、若干の負担増(1か月に4,200円)があることが分かる。
(医療ではなく税制改革、即ち公的年金等控除の縮減及び老年者控除の廃止に伴い結果的に負担が増えるというケースがあるが、話がややこしくなるので割愛する)

 問題なのは一定以上所得者あるいは現役世代並所得者と呼ばれる層、具体的には夫婦世帯で年収約520万円以上、単身世帯で約380万円以上での所得層である。
 負担額上限は約8,000円上昇するが、問題なのは、総医療費に占める患者負担の割合が2割から3割に増加しているところである。
 
 一番上の欄に現役世代の一般所得者、つまり読者の大半が該当すると思われる部分の額を掲載したが、
 10月からは、患者負担の割合も含め、文字通り「現役世代並」の負担を強いられることになるわけである。

 金があるのだから、そうした人には払ってもらおうという思想自体は誤りではない。
 だが、単純に若者と同じ額にしてしまえというものでもない。

 なぜならば老人の医療費は、平均すると現役世代の5倍なのだから。

 更に問題なのは、一般の所得者との格差である。
 ある一線を超えたら、とたんに負担が3倍になるというのは、果たしていかがなものであろうか。
 しかもこの算定基準にはいわゆる土地売却などの一時収入も含まれているのである。

 「生活が苦しくて、ついには先祖代々の土地と家を手放したら、医療費が3倍になった。わしに死ねというのか!」

 厚生労働省の官僚殿にお尋ねしたい。 
 こう訴える市民に対し、我々は何と答えて差し上げればよろしいだろうか。
 国策に専念するのは結構であろうが、もう少し現場にも目を向けてもらいたいものである。



 さて、実はもう1つの負担増がある。
 それは療養病床の生活療養費が自己負担となったことである。
 いわゆる医療費以外の負担について、現在は食事代の一部のみしか負担がない(1か月約24,000円)が、これからは合わせて居住費も負担することになり、トータルで1か月約52,000円となる。
 ところが、これは一般の老人入院患者には関係ない。あくまで療養病床と呼ばれるベッドで入院しているものだけである。
 この問題は実に根が深い。次回以降にゆっくり説明しようと思う。

** 追記 **

 7月6日、カテゴリーを修正しました。




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