公務員叩きに物申す!−現職公務員の妄言 システム運用保守に、後期高齢者医療制度に、公務員叩き批判に、行政改革に、福祉行政に、ITに、WEB2.0に、SNS管理に、VBに、Scriptに、情報セキュリティに、IPネットワークに、SEOに、ほんの少し家族サービスなブログ。

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 食育の話を医療行政に絡めようと思う。

 「動物性脂肪は体に悪く、植物性脂肪が体に良い」

 という考えは未だ根強い。
 バターよりマーガリン、調理用の油は植物油、と恣意的に選択されている方も多いのではないかと思う。
 これはかつての旧厚生省の栄養指導の影響である。

 かつて、コレステロールは動脈硬化や各種心疾患の原因であるとされ、
 また欧米で
 「動物性脂肪はコレステロール値を上げ、植物性の高リノール酸油が下げる」
 という研究結果が出た。
 
 これを受け、日本でも60年代から、
 「動物性脂肪を減らし、リノール酸系の植物油を増やせ」
 という脂質栄養指導が始まった。
 それにより動脈硬化や心疾患の予防になると思われたからである。

 ところが、これが大きな誤りであることが後に判明した。

 まず、コレステロールを動物性脂肪が上げ、植物性脂肪が下げるのは、1週間程度の短期間の話であり、1年もすれば両者の差はなくなってしまうのである。
 健康指導は長期的なものである。何ら役にたたないのは言うまでもない。

 余談であるが、そもそも、コレステロール値と心疾患との因果関係は不明瞭である。
 日本では従来の仮説どおり、血中コレステロールの増加により心疾患発病率が上がるという報告と、逆に下がるという報告がある。
 海外では、逆に血中コレステロールが低下すると心疾患発病率が上がるという報告がある。
 それとは別に、コレステロール値が多いほど癌死亡率や総死亡率が低い、即ち長生きできるという報告もある。
 
 話を元に戻そう。
 リノール酸は心疾患抑制に効果が無い。
 それだけならまだ良いが、逆にリノール酸の過剰摂取により、動脈硬化や心疾患の他、アレルギー過敏症やガンを引き起こすことが判明してきたのである。

 これらはリノレン酸(即ち魚)を摂取し、n-6(リノール酸)/n-3(リノレン酸)バランスを中心とした食事指導を行うことによって改善される。
 リノール酸は体内に必須であるが、ご飯やパン、肉などから十分な必要量は摂取できる。そのうえでマーガリンやドレッシングなどの植物性油を多量に摂取すれば、明らかに問題がある。

 こうしたことが分かってきたのは今から5〜10年ぐらい前のことである。  
 巷で、魚が良いという話は聞く。肉を食うと成人病になるという話も未だに聞く。一方で、植物油が危険だという話はほとんど聞かない。

 現在、日本人の動物性脂肪の摂取量は欧米より少ないが、摂取脂肪中のリノール酸の占める割合は高い。
 そして旧厚生省の栄養指導の結果、明らかに心疾患死亡率に影響が出ていることが分かっている。
 最近アトピーの子供が増えているが、これも母親のリノール酸過剰摂取と密接な関係があるのは言うまでもない。

 さて、「心疾患」や「ガン」はかつて「成人病」と呼ばれていたが、旧厚生省はそれを「生活習慣病」と改称し、食生活や飲酒、喫煙など、生活習慣そのものが原因だと定義づけた。
 そして、生活習慣たる「食生活」を誤って指導していたのは、旧厚生省であり、増加の原因の全てとは言わないまでも、大きな要因の1つであることは確かである。
 生活習慣病は莫大な医療費を消費する。
 そして今度の医療制度改革において、その予防と改善は、数値目標付きで地方自治体に課せられることは以前の記事で既に述べた。

http://genshoku.blog69.fc2.com/blog-entry-24.html

 要するに、政府は失態により国民の健康を害したばかりでなく、そのツケを地方自治体に回そうとしているのである。
 世の中、このようなことがまかり通って良いのであろうか。

 なお、最近サプリメントで流行の「共役リノール酸(トナリン)」はリノール酸の異性体であり、全くの別物である。
 ただし、不純物としてリノール酸を含む可能性はある。過剰摂取はオススメできない。




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タグリスト: 生活習慣病, メタボ,
 医療は利益追求であってはならない。
 だが、利益追求主義と無縁でいられないことも事実である。

 マラリアという病気をご存知であろうか。
 日本では海外での感染者を除き、ほとんど発生しない病気であるが、名前ぐらいは聞いたことがあるかもしれない。

 ある種の蚊によって感染し、年間3億〜5億人の患者、150万人〜300万人の死者が発生している。
 感染者の規模において、HIVなどの比ではない。

 マラリアの治療薬としてポピュラーなのはクロロキンであるが、開発から既に60年を経過し、耐性菌が多量に発生している。
 そして、それに変わる決定的な代替薬は無い。
 何より、これだけ世界的な病気であるにも関らず、未だワクチンが存在しない。

 何故であろうか?

 答えは簡潔明瞭だ。
 マラリア治療薬やワクチンは儲からないのである。
  
 マラリア感染者の90%以上がサハラ以南のアフリカ、貧しい国々の人々だ。
 新規に開発された新薬は高い。
 日本やアメリカならともかく、中南部アフリカでは、個人はもちろん、国家レベルでも十分な量を購入するのは困難である。

 1993年のマラリアに対する国際的な研究開発費用は、ガンの約30分の1である。
 売れないことが分かっていて高額な研究資金を投資する製薬会社はいない。
 当たり前の理屈である。
 うまみのある市場あっての研究開発なのだ。
 
 これは日本でも同じである。
 医療は利益追求であってはならない。
 しかし、良い医療を提供するための製薬や医療機器は紛れもなく利益追求主義の産物である。

 だから様々な矛盾が起こる。

** 追記 **

 7月6日、カテゴリーを修正しました。




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タグリスト: 医療費,
 長々と続けてきた医療制度改革の話であるが、最後に原点にたちかえって考えてみたい。

 そもそもなぜ、医療制度改革が行われなければならなかったのだろうか?
 それは国民医療費が増大し、保険財政を圧迫しているからである。医療費が増大したのは、国民が不健康になったとか、薬の無駄遣いが増えたとかいうことではなく、そもそも医療費が多くかかる老人の割合が相対的に増えてきたからだ。

 老人は若年者の5倍の医療費がかかる。
 たった1割の老人が国民医療費の1/3を使ってしまっている。

 
 この政府のプロパガンダの内容に誤りはない。
 だから医療費を抑制しようということである。

 今回の医療制度改革でも「限られた財源の中で、将来とも良質な医療を確保し、持続可能な皆保険制度とするために」高所得や療養病床の老人の負担を引き上げたわけだが、給付の見直し等の短期的施策による効果はたかだが知れている。

 改革の本丸は医療費自体の削減にあり、2015年までの削減予定の2.6兆円のうち、約2兆円に相当する。
 http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/10/tp1019-1b.html
 具体的には予防の強化、すなわち生活習慣病対策であり、健康診断による保健指導が実現のための手段である。

 残念ながら健康診断は万能ではない。
 むしろ、項目の大半が役に立たないものであるという結果が昨年報道された。
 http://inoue0.exblog.jp/1553578
 現状、国はこれに約1兆円投入している。
 眉唾の健康診断で更に2兆円削減とは、錬金術のような話である。

 連載の冒頭にも書いたが、マスコミの記事や社説の多くは表面的、短期的な負担増しか述べず、この本丸部分の実現性に言及しているものは少数しか見当たらない。
 かくもマスコミは質が落ちたか、と嘆息せざるを得ない。
 公務員を叩いている暇があったら、もっと勉強していただき、皆のためになる記事を書いていただきたいと思う。

 さて、マスコミも触れないことを書くのが当blogの趣旨だとも思うので、更に切り込んで行きたい。

 そもそも予防は医療費削減効果があるのだろうか?
 病気の予防をすれば、なるほど、病院にかかる可能性は少なくなる。
 しかし、人は必ず死ぬ。
 病気の予防自体は意味があることであるが、医療費削減につながるかどうかは疑問だ。
 なぜならば死ぬときに医者にかからない者は稀であり、病気の予防は単にそれを先送りにしているだけだからである。

 そして、ここが重要な点であるが、医療費の大半は人が死ぬときに費やされる。
 町医者の待合室で四方山話をしている老人が、日本の医療費を食いつぶしていると思っている方が多いと思うが、それは大きな誤りだ。
 多少古いデータであるが、レセプトの金額の上位10%の患者が総医療費の6割、1%の患者が1/4を使っているという統計結果がある。
 そしてこれら高額レセプトの患者は大半が1か月以内に死亡しているのであり、社会復帰を果たしているものは皆無に近い。

 家族がドクターに「お願いします」と一声かけると、そこに莫大な税金が投入される。それによって、多少の延命が成功したのかもしれないが(これは実証しようが無い。なぜなら延命措置をしなかった場合と比較せねばならないからだ)、逆にいえばその金は他の多くの「これから生きていく人」への福祉に充当できるたかもしれないのである。
 命はかけがえがなく、金では買えない。
 しかし、感情論や精神論だけでは行政はなりたたない。
 少数の死にゆく命のために、どこまで我々は譲歩できるであろうか?

 我々は今までこの部分について議論を避けてきた。
 だが、タブーと言うのは体のいい言い訳だ。
 日本の公的医療制度がぐらついている今だからこそ、終末期の医療について明らかにし、国民全体が真剣に命の値段について議論するべきであると思う。

** 追記 **

 7月6日、カテゴリーを修正しました。
 7月8日、健康指導による医療費削減の実現性について、当初「マスコミ記事は一誌も無い」としていましたが、読売新聞ならびに日本経済新聞において言及されていることが判明しましたので、適切な表現に改めました。




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タグリスト: 医療制度改革, 終末期医療,
 診療報酬請求制度のIT化といって、まず真っ先に連想されるのはお隣の国、韓国である。 

 日本のレセプト電子化の状況は前回述べたが、病院と診療所と薬局でならすと約25%になる。ところが、韓国の電子化率は96%である。
 日本はレセプトの点検や審査を紙ベースの目視で行い、審査支払機関だけでは不十分であるから保険者からも再審査が行われることも述べた。ところが韓国では原則電算上のロジカルチェックしか行われず、目視で内容を精査するのは非常に例外的なケースである。審査支払機関でのチェック後に保険者が再審査を申し出することはない。

 当然人件費も大きく異なる。レセプトが同じ枚数だとすると、韓国における審査支払機関の職員数は、日本のわずか1/4である。審査委員の数は1/8である。なおかつ日本では保険者サイドでも人件費をかけて点検や管理を行っている。この点も考慮すれば、差は歴然である。

 もちろん電子化の効果はこれだけではない。
 全国民5年分、100TBとも言われるレセプトのデータウェアハウスを活用できる強みがある。
 
 実際、韓国に出来て、日本で出来ないことを列挙してみよう。

 ○疾病の流行状況の把握。
 ○患者単位での医薬品の併用禁忌チェック。
 ○不適正な医薬品や血液製剤発生時における、投与患者の検索、追跡調査、補償。
 ○レセプトデータの医学研究への活用。
 ○手術の成功率等、様々な側面からの医療の質評価。
 ○正確な特定傷病患者数の把握。


 この業界の人間であれば、一番最後の項目を見て「おや?」と思われたかもしれない。これについては後で詳述することにする。 

 さて、日本と韓国はどうしてこうも差がついてしまったのか?

 理由の1つとしてコード化がある。

 韓国は1991年にようやく国民皆保険が実現した。決して日本以上に歴史が古いわけではない。
 だが、紙ベースの時代から電子化をにらみ、徹底したコード化の対策に取り組んできたのである。

 日本で電子レセを推進するに当たり、大きな問題となっているのが、傷病名や各種点数表項目のコード化である。
 日本でも韓国でも、特定の診療行為を評価する際には、ベースとなる「基本点数」とボーナスである「加算部分」を組み合わせる方式である。
 例えば、「診療時間外に受診した乳幼児の再診料」は「再診料」というベース部分に「乳幼児」であることの加算と「時間外」であることの加算が考慮される。
 これは日本でも韓国でも同じである。

 日本の点数表は、この基本点数と各種加算にそれぞれコードが振られている。つまりコードから求めた値を演算しないと「診療時間外に受診した乳幼児の再診料」を求めることが出来ない。
 ところが、韓国の点数表では「診療時間外に受診した乳幼児の再診料」というコードが存在する。演算は必要ない。
 電算処理を行ううえで、どちらが有利かは言うまでもないだろう。

 また日本の医療機関ではいわゆる「レセコン」は導入しているが、電子レセの普及は進まないことは以前に述べた。
 要するに、医療機関の立場からすれば、電子レセに切り替えるメリットが余り無いのである。(特に診療所)
  
 その点、韓国は徹底的な利益誘導を行った。

 まず、電子の場合は医療機関に診療報酬を早期に支払い、逆に紙請求の場合は支払を遅らせたのである。
 これは効果的だ。日本でも電子も場合はボーナスが付くが、反面患者負担額にも反映するという悪影響がある。
 当時の韓国での深刻な不況も追い風となった。
 加えて、電子レセに切り替えると、最高6か月間、レセプト審査が免除されるという思い切った施策も行った。
 導入当初だけでなく、1年間行政処分が無いと2年間審査免除というプログラムも併用している(ただし抜き打ち検査は行われる)。
 たとえ査定されても、その理由や内容が細かく書いてあり、病院側が再発防止にフィードバックさせやすいということも好印象となった。
 かくして韓国のレセプト電子化はあっという間に浸透したわけである。
 
 もう1つの深刻な問題として、いわゆる「保険適応病名」問題がある。
 
 業界人であれば周知の事実であるが、日本では「保険病名」あるいは「適応病名」と呼ばれる、保険請求専用のウソ病名がある。
 ある診療行為が患者にとって明らかに必要だとしても、保険として認められないことがある。だからウソ病名を付けてしまえという発想である。
 例えば長く使うと肝臓に負担がかかり、投与中は定期的に肝機能検査を受けなければならないという薬がある。もちろん検査にも相応のコストがかかる。薬のために検査をし、その分持ち出しでは採算が取れない。
 「だったら肝臓の病気にして保険診療として認められるようにしてしまえ」ということなのである。
 もし「強い薬で胃を痛めるから」と併せて胃薬が処方された場合、貴方は胃潰瘍にされているかもしれない。ということだ。
 自分は保険者サイドの人間であるが、この世界に入って長いし、友人に腹を割って話せる医者も数多くいる。両方の内情は理解しているつもりだ。
 誤解を恐れずに言えば、医療機関の診療報酬請求は不正ギリギリのグレーゾーンの領域で行われている。そうしなければならないのは、つまり制度が悪いのである。

 医療機関は請求に不備が無いように、本当の病名によるレセプトを作成したあとで、適用病名を継ぎ足す作業を行う。そして保険者は適用病名もれをくまなくチェックし、バッサリ切りにかかる…。

 こんなナンセンスなことに病院と保険者はしのぎを削っているのである。しかも国保などであれば人件費はつまり税金だ。皆も無縁の問題ではない。
 どちらがが悪い、どちらに責任があるということではなく、こうした(少なくともレセプト電子化という面から見れば)悪しき慣習は無くしていかねばならないと思うのである。

 脱線が過ぎた。こうした話は別の機会を設けてゆっくり書こうと思う。

 本題に戻るが、こんな状態では、せっかく電子化が成されても、データの信用性が低く、使い物にならないのは言うまでもない。
 「胃潰瘍」で検索したら、その中に「なんちゃって胃潰瘍」が数多く混入しているのだから。
 ちなみに韓国ではこうした「保険病名」問題は無いそうであり、質の高い医療情報を確保することが可能なのだそうである。

 さて、こうした問題以外にも、解決せねばならないことは山積みだ。
 もし「レセプトオンライン」という夢のような話を実現するためには住基ネットと同等またはそれ以上のセキュリティを確保せねばならないし、導入費用や基盤整備の問題もある。

 5年間で完全実施できるかどうかはいささか疑問だ。
 ともあれ、現実的な問題として、毎月運ばなければならない多量の紙の山が早く無くなってくれるのを祈るのみである。

** 追記 **

 7月6日、カテゴリーを修正しました。




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