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現在の診療報酬は原則として、検査、投薬、処置といった診療行為を積み上げる出来高制である。
一方で定額制というのは、こうした診療行為の報酬を全て包括してしまい、疾病ごとに定額にするやり方だ。
実は定額制は新たな手法ではなく、現在も「DPC」という呼び名で、一部の病院で試行的に行われている。
今回の検討内容というのは要するに、DPCを単なる試行ではなく、スタンダードにしてしまおうということである。
定額制の詳細な説明や問題点については以下の2つのblogで触れられているので、是非ごらんいただきたい。
美しくなることは、健康になること!
http://becomingbeautiful.blog65.fc2.com/blog-entry-252.html
沖縄健康企画
http://yakuzai.exblog.jp/4682824
さて、今回なぜそういう考えが出てきたかといえば、言うまでもなく高齢者の医療費を抑制するためである。
高齢者の医療費というと、町医者の待合室で老人が井戸端会議をしている様子を思い浮かべるかもしれないが、
以前の記事でも述べたとおり、費やされる医療費の大半は終末期医療である。外来や薬剤については様々な批判はあれど、その実、額としては微々たるものだ。
定額制は外来診療にも導入可能だが、早期発見早期治療の妨げになる可能性もあり、削減効果も少ないとなれば、
やはりメインのターゲットは入院、とりわけ終末期医療にメスを入れるというのが正しい見方であろう。
(頻回多受診や薬漬け医療を肯定するわけではない。誤解なきよう。)
ところで、業界ではDPCは一定の成果を得たという評価が大勢だが、筆者はこれに懐疑的だ。
なぜならば、現在は試行段階であり、「定額」と「出来高」の住み分けが出来ている。
「定額」で採算の取れない患者を受け入れず、「出来高」病院に紹介するといった逃げ道が用意されているのだ。
病院が経営努力をすれば、当然そこに行き着くであろう。
全ての病院がDPCになった場合に上手く機能するか否かは全く保証されていないのである。
むしろ、包括定額制が原則の介護の世界同様、「おいしくない」患者がサービスを受けられないという結末になるのは、火を見るより明らかだ。
営利追求が容認される介護と、原則慈善事業で営利追求が認められない医療とでは事情が違う、という反論があるかもしれない。
しかし、現実に老人は90日を超えれば一般病床を追い出されるし、制限日数を超えたリハビリも受けられない。
厚生労働省はこれらの行為を禁止しているわけではなく、ただ採算が取れない数字に設定しているだけである。
要するにそういうことなのである。
終末期医療にメスを入れること自体は悪いことではない。いずれそうせざるを得ないことは以前の記事にも書いたとおりであるし、その必要性も説いてきた。
問題とすべきはメスの入れ方である。
なお、定額制についてはこういう意見もある。↓
Kazu'Sの戯言Blog(新館)
http://kazus.blog66.fc2.com/blog-entry-999.html
記事の中身について野暮なことを言うつもりはない。
むしろ、率直な意見が辛口ストレートに書かれており、世間様の認識というものを窺い知る良い例だと言えよう。
人は必ず老い、そして死ぬ。
例外はない。
終末期の医療は誰にでも、いずれ直接的に関わる問題なのだ。
だからこそ、メスの入れ方は十分な議論を行い、国民のコンセンサスを得るべきであるのだが、誤った見識のもとで議論を重ねても得られるものは何もない。
まずは、マスコミの偏重報道を廃し、国民に正しい姿を伝えることこそが先決だ。
そしてこの考えはそのまま行財政改革や公務員改革にもあてはまるのである。
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どうも誤解があるようなので改めて
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COMMENTS
toto tomtom
#-
2006/10/10 | URL | EDIT
話が変わりますが、診療報酬は年々下げられますが、医療現場の職員の給料は高いのでしょうか?
医師は確かに高そうに見えます。でも勤務医はそうでもないと思うのですが?それに他職員については、命を預かっている現場にしては安すぎるように思うのです。警察や消防に比べてもかなり低い。医師については税制面でも優遇されていると聞きますが、特に介護関係なんて酷いものです。
誰と、何処と比較するかで変わりますが、特に報道関係(新聞、テレビ局など)や金融関係(銀行、証券など)など良過ぎ、比較にもなりませんがね。
何が基準で医療費を目の敵にするのか?世界的に見てもGDPに対する割合も、先進国の中では最低ですよね。厚生労働省の思惑か?社会保険庁の問題も・・・社会保険庁の職員よりも遙かに少ない給料でしょう。
長くなりました、すみません!
現職公務員SE
#1tpQKjho
2006/10/11 | URL | EDIT
よく医師不足だと言われますが、実は医師の数自体はそんなに少なくなく、単に病院の勤務医が少ないだけだという指摘があります。
なり手がないということは、給与や労働条件を含めた待遇が十分ではないということなんでしょうね。
沖縄健康企画
#MT.Ndww6
2006/10/17 | URL | EDIT
今回の後期高齢者医療費へのメスは、医療費削減のためには確かに手っ取り早い改革かもしれません。
しかし それに伴い医療の質が落ちていくような改革にはして欲しくないものです。
「現職公務員SE」さんがおっしゃられているように十分な議論を行い、国民のコンセンサスを得るべきであると思います。
現職公務員SE
#1tpQKjho
2006/10/18 | URL | EDIT
そうですね。
削減の方向性がやむを得ないというのは同感です。
ただ、削減ありきで受け皿が無い改革が多い気がしますね…
療養病床にしろ、リハにしろ。
harayosi-2
#vEwOOp76
2007/01/22 | URL | EDIT
>今回の後期高齢者医療費へのメスは、医療費削減のためには確かに手っ取り早い改革かもしれません。
長期間にわたって、「医療費が増大」というキャンペーンが展開されてきました。医療費の削減や抑制には、反対できないような雰囲気が作られてきています。それに惑わされているのではないでしょうか。
現在、権力側がすすめているのは、「医療給付費の削減」です。注意深くマスメディアの論調をみると、気がつくはずです。
医療を、さらに医療関連業務や医療保険をも、営利の対象にしようとしていることから、医療費は増大することはあっても、減少することはありません。もともと、日本の医療費は大きくないのですから。医療を50兆円産業から100兆円産業へと拡大し、営利の対象にしようとしているのではないでしょうか。
繰り返します。現在すすめられようとしているのは、医療費の削減ではなく、医療給付費の削減です。
そんな問題意識で、拙ブログでの発信を続けています。