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一昔前であるが、「くたばれ専業主婦」という本が話題になった。
内容を要約すると「結婚して仕事をリタイアした既婚女性」対「仕事を持ち続ける独身女性」の対立構造を、2ちゃんねるテーストで過激に表現したものである。
個人的には面白い内容だと思うが、賛同できない面も多々ある。
昔、著者の石原理沙氏にEメールで自分の意見をぶつけて見たところ、真面目な内容の返信が来た。とても律儀な方である。
他には、酒井順子の「負け犬の遠吠え」が記憶に新しい。
こちらも未婚女性を負け犬と自虐的に卑下し、「勝ち犬」と「負け犬」との対立を面白おかしく書いた作品である。
ここで1つの疑問が浮かぶ。なぜ「専業主婦」か「独身キャリア」かの二者択一なのだろうか。
それは現代の日本の女性にとって、出産や育児の負担が余りにも多いからだ。
このことは1つ前の記事にも書いたところである。
とてもではないが、仕事と両立はできない。だから育児を選択する場合には退社する。合理的な考え方である。
ところで企業が営利追求による効率を求めると、定着率の低い女性よりは男性を重要なポストに付けたがるようになる。
(しかしながらこの考えは男女雇用機会均等法に反する)
欧米の雇用は中途採用が一般的で、大学での研究やそれまでのキャリアにより判断され、即戦力であることが求められる。
日本は、崩れてきたとはいえ、未だ新規採用終身雇用が一般的である。企業は主に大学ブランドによる資質のみを判断し、即戦力であることは求めない。そして教育や研修により、時間をかけて自社カラーに染めていくのである。
ところが、教育を施しても還元されるまえに退社されたら、企業は大損である。
だから、企業は女性よりも男性をより重用するのである。
一方で、子供が居たり、ローンで新居を購入した男性社員は、企業にとって実に都合が良い。
社員の立場からすれば、安定した収入が必要となるため、容易に退社や転職ができないのである。
つまりは企業の都合の良いコマとして使われる。
子供が生まれた途端、単身赴任や子会社への出向を命ぜられた、というのは良く聞く話である。
こんな状況では育児を手伝えるはずもない。
要するに、
「男性が育児を手伝わない」→「女性が育児に専念するために退社せざるを得ない」→「企業は男性により重要な役割を担わせるようになる」→「男性はますます育児を手伝うことが出来ない」
という悪循環である。
逆に言えば、この悪循環さえ断ち切れば、雇用上の男女差別が解消され、かつ少子化対策にもなる。
良いこと尽くめである。
この鎖を断ち切る鍵は、男性陣のモラルと企業風土の改善にある。
男性陣よ、勇気を持って育児休業を取得するべきである。
「出世に響く」というちっぽけな考えは捨てるべきだ。
だいたい、芋洗いの団塊ジュニアの中で、多少順位が落ちたからといって、どうということがあろうか。
プロレタリアのラットレースの順位の確保は、子供を得る喜び以上に大きなものであろうか?
お金が欲しいなら、株など、給与以外で儲ければよいのである。
そして企業は、こうした男性の育児参画に理解を示すべきである。
効率化を追求しすぎると、少子化を招き、労働力不足から結局自分達の首を絞めることになるからだ。









COMMENTS
店長 は通院歴三年ベテラン
#-
2006/07/12 | URL | EDIT
現職公務員SE
#1tpQKjho
2006/07/13 | URL | EDIT
育児休暇などの福利厚生制度も、大企業に比べるとやっぱり見劣りすると思います。
しかし、統計上は逆の数値になっています。
直リンクは貼れませんが、検索エンジンで
「中小企業庁2006年度版白書」
を探し、中をご覧ください。
これによれば、中小企業ほど、正社員1人あたりの子供数が多く、
かつ女性の復職率が高いという統計結果が出ています。
白書が全て正しいとは限りませんし、てんちょが肌で感じてきたことも、もちろん真実の一側面です。
ご存知かもしれませんが、私の実家も零細の町工場で、取引先も中小や零細です。
10人足らずの零細で1人抜けたらラインが止まってしまうのは誰でも分かる話です。
しかし、経営的要因さえクリアできれば、アットホームで小回りの利く中小のほうが子育てがしやすいのかもしれません。
現に東京都港区など、育児休業を与えた中小企業に報奨金を与える自治体もあります。
少子化対策としては、とても費用対効果が高い施策だと思います。
メタボリック@ストレス不健康者
#SFo5/nok
2006/07/14 | URL | EDIT
残業いっぱいすることは効率化にはつながりません。かえって効率は落ちます。効率が落ちるということは競争力も落ちるということです。日本の知的生産性というのは先進国内で最低レベルです。やり方考え方が悪いのでしょう。
企業とか国民が考え方の転換をしたほうがよい。それに効率化やグローバリゼーションや規制緩和による競争がますます少子化やストレス増に直結するようなマスコミの報道やそういったものに反対する勢力の喧伝も、それは違うと思ってます。
現職公務員SE
#1tpQKjho
2006/07/15 | URL | EDIT
深夜残業の単価を高くするという案も出ていますが、サビ残が横行しそうで心配です。
店長 は通院歴三年ベテラン
#-
2006/07/15 | URL | EDIT
現職公務員SE
#1tpQKjho
2006/07/15 | URL | EDIT
全体的な話で言えば、国土の広さ(=家が広い)、食料品の安さ、再婚率の高さなどと無縁ではないと思いますが、やはり共働き率の高さや夫の育児協力度合い、(未婚の母など)多様な価値観の受容が主要因だと思います。
児童虐待には厳しい国ですね。人前で大声で叱ってはダメ。留守番などの放置プレイもだめ。そのせいか、ベビーシッターはとても人材が豊富で料金も安く、充実している。これも出生率が高い一要因かも。そのかわり公立保育園は全然ダメですが。