奇しくも健康保険法等の一部を改正する法律(いわゆる医療制度改革法案)が成立した月であり、まさに後期高齢者医療制度の誕生から歩んできたblogといっても過言ではない。
節目というわけではないが、ここで一旦筆を置こうと思う。
再開するかどうかは分からない。
簡単に言えば、もうblogをやるどころでは無くなるということだ。
昨年も一時期更新を中断していた時期があるが、これからやってくる災厄はその比ではない。
はっきり言って正気の沙汰ではない。
例えて言うなら、竹ヤリで核ミサイルを落とせというようなものだ。
よく思い起こしていただきたい。
つい最近「竹ヤリは足りているか?」と聞かれなかっただろうか?
つい最近、忠誠心を試されるようなことはなかっただろうか?
そう、戦争はもう始まっているのだ。
多くの高齢者に窓口での申請行為や複雑な計算などの判断行為を強要するのが社会的に受け入れられるかどうか、
独居で代理手続きを行うものがいない高齢者が恩恵を受けられないなど新たな不公平を生むものではないか、
システムが安定稼動していない状態での大軌道修正がどれほどリスクがあるか。
高齢者にも分かりやすいシンプルな仕組みや制度からどんどん乖離していないか。
そもそも医療制度改革大綱の理念に反していないか。
下世話な言い方をすれば「この見直し案」で本当に票や政権が維持できるのか。
司令部はもはやそういった当たり前の判断すら出来ない状態だ。
頭の中にはもう市町村やベンダSEを巻き込んでのバンザイ突撃しかない。
自分は既に赤紙を握っている。
全国の広域連合職員、市町村後期高齢者医療担当課職員、そしてこの制度に携わるベンダSE。皆同じである。
もう皆、日の目を見ることはないかもしれない。
既にこの制度の準備で多くの職員やSEが心身を病んで廃人になっている。
だが、これから起こるデスマーチはその比ではない。
悲劇の歴史として後世に語り継がれることになるだろう。
たまたま、この制度に携わっただけなのに。
何でこんなことになったんだろうね。
恐らく兵士たちが平穏に過ごせるのは、来週1週間だけだ。
その間、SEをかき集められるだけかき集めて、道連れを増やすか、
司令部に反意の要望書や意見書を叩きつけ、クーデターを起こすか、
それとも全てあきらめて、たまった振替休日を消化し、普段会話もなかった家族とのんびり穏やかに過ごすか。
戦地に赴くまでの残り少ない時間、せめて悔いの無いように過ごしてほしい。
では、生きていたらまた会いましょう。(多分死ぬ前に民間に転職するけど)
COMMENTS
友さん
#-
2008/05/31 | URL | EDIT
司令部は狂い、戦線は前線の兵士にお預け。
前線には屍が累々と・・・。
どこかで見た破滅的な状況?
公務員に連帯し、ともに闘う決意を表明します。
頑張ってください。
また合間見えんことを!
3333
#a2H6GHBU
2008/05/31 | URL | EDIT
通りすがり
#EGTCt1XI
2008/05/31 | URL | EDIT
今回は匿名希望
#GhpFFV1c
2008/05/31 | URL | EDIT
公務の世界は予算が全てなので、予算枠を超える超過勤務は手当が支出できず、公式な資料においては「そんな勤務は無かった」事になりますから。超過勤務のために人件費増額を求める予算が議会を通過すれば別ですが、そんな補正予算案を出す勇気ある自治体は皆無だろうと。
多忙感や疲労感について考えれば、前者と後者で若干性質が違うかな?と感じる部分はあるのですが、どちらの側にも相手方より優れた部分・劣る部分があると感じます、どちらの側に属しても「隣の芝生は青い」部分がありましたし。
既に、Death March Project な公務組織を承知している立場としては、Blog主様に同情的になります。実際に経験しないと解らないのは事実でも何となく雰囲気や心情(絶望感など)は解る気がします。
心身のご健康をお祈り申し上げます。
現職公務員SE
#1tpQKjho
2008/05/31 | URL | EDIT
はてなでの反響が予想外に大きくて驚いていますが、やはり公務員(楽というイメージがある?)がこういう記事を書くのが物珍しかったのでしょうか。
>頑張ってください。
>また合間見えんことを!
ありがとうございます。期待しないで待っていてください。
>余計なお世話ですが、時間外手当でてるんすかね?サービス残業?
残業代は出る部分もあれば出ない部分もあります。
結局は予算との相談なので、どのくらい?という話は無意味だと思います(自治体によって違う)
タクシー代は出ません。
正確に言えば、申請すれば出るらしいですが、面倒くさいし、その時間がもったいないです。
自分の労働状況を簡単に述べると、
昨年12月から5月末までの半年で約1000時間残業です。
これには休日振替(事実上消化できない)として残業にカウントされない部分やサービス残業も含まれます。
ちなみにそれ以前は国が政省令(=要件定義の核となる)を出して来ていなかったので、非常にヒマでした。
良く「2年間も準備期間あってこの体たらくは」と叩かれますが、自治体の準備期間は事実上昨年12月からの4か月しかなかった状態です。
私は民間ではありませんから、この残業時間がどの程度の水準かは分かりません。とりあえず、民間の友人によると「残業が多い」そうなので、自分もそういう理解でいます。
>ま、役人なんか、民間では使い物になりませんけどね。
異論を唱えるつもりはありません。
いずれにせよ、この年齢で民間SEになっても先がない。
今の仕事で辛いところは、いくら頑張っても顧客に全く喜ばれないところです。
労働の報いは
「年寄りを殺すつもりか!お前ら役人が死ね!家に火をつけるぞ!
」
といった非難や罵声です。
ようするにモチベーションを保つのが非常に難しい。
「市民のため」というのは地方公務員の根幹ですから、ここで心が折れてしまったら、たとえ担当や部署が異動になっても仕事を続けていく自信がありません。
そうなったときにどうするかは正直分かりませんが、
例えば福祉系NPOを立ち上げるとか、まあいろいろ選択肢はあるでしょう。
とりあえず、今は目の前の戦いのみに専念します。
現職公務員SE
#1tpQKjho
2008/05/31 | URL | EDIT
そういう面はもちろんあるでしょうね。
>実際に経験しないと解らないのは事実でも何となく雰囲気や心情(絶望感など)は解る気がします。
>心身のご健康をお祈り申し上げます。
ありがとうございます。
今回のプロジェクトで特徴的なのは、本当に終わりが見えないということです。
友人に民間SEもたくさんいますが、これほど長いデスマーチはありえない、と良く言われます。
絶望に輪をかけているのが、今までが序曲に過ぎなかったことですね。
#
2008/06/01 | | EDIT
Hamras
#-
2008/06/01 | URL | EDIT
初めてこのブログを拝見したときに大変共感すると共に、公務員叩きに反論する現職公務員SEさんの勇気に感銘を受けたことが思い出されます。きっと私だけでなく、このブログを訪れたたくさんの公務員に、現職公務員SEさんの言葉が励ましになったのではないかと思います。
それにしても、仕事のモチベーションを維持するのは難しくなる一方ですね。千差万別なのに公務員であるというだけで、理不尽なことを言われ、大義名分をふりかざされ、社会の不満のはけ口にされることの悔しさは、やられた人間でなければわかりませんよね。誇りを傷つけられながら仕事をするのは辛いものです。
更新が停止してしまうのはとても残念ですが、やはり自分の生活を守ることが第一ですのでこれからは無理をなさらず健康に気をつけてお過ごし下さい。ご無事を祈っております。
某広域連合職員
#WGv/JGO2
2008/06/02 | URL | EDIT
こちらのブログには散々お世話になりました。
国からの情報がまるで出てくれなかったあの頃、
どれだけこちらのブログとSNSが貴重な情報源となったか知れません。
私の場合は実時間外は740時間+消化出来ない代休10日くらいでした。
民間はもっときついという言葉も聞きますが、そんな状況が常態的なのに
世の中就職難なんて何か間違ってると思います。
さすがに今回は本気で転職を検討しようと考えています。
今回の件を乗り切ったとしても、正直愛想が尽きました。主に国に。
住民の為ではなく、選挙の為に仕事をさせられているとしか思えません。
今後今の仕事を続けたとしても、もはや情熱をもって仕事はできません。
地方SIer
#-
2008/06/02 | URL | EDIT
私の場合は標準システムの構築契約が決まってからの
お付き合いなので実質14ヶ月程度でしたが、
当初は非常に参考にさせていただきました。
まあ、制度自体は仕様書の未定稿を見た段階から
かなり不安を覚えていましたが、国も悪いが、
制度が始まるまで全く報道しなかったマスコミの
その後の感情的なミスリードも悪かったですね。
全て悪者にするのはかまわないですが、
根本的な原因が何も述べられずに、特徴その他が
悪魔の仕業のように言われるのは
携わる者としては憤りを覚えますね。
まあ、私の場合は修羅場に投入されることの方が多いので、
今後の想定されることなどは、あまり心配はしていません。
直近では6月は土日が全出勤というのが、家庭を持っている
身としては痛いかな程度ですかね。
>>通りすがりさん
あなたがどのような氏素性の方かは存じませんが、
こんなところでこの程度の発言とは程度が知れますよ。
私も官公庁相手の仕事で長いので、
こんな奴の為に。。。(以下自粛)
という職員の方も知っていますが、
民間以上に働く職員の方も大勢知っています。
まあ、人からの伝聞や想像だけでは計れないことも
沢山ありますから、もう少し大人な発言をしたほうが
よろしいのでは?
素人の浅知恵
#GhpFFV1c
2008/06/03 | URL | EDIT
で、能力的に優れている人物から順番に疲れ果ててドミノ倒しに退場していき、現場の執行力がどんどん低下する一方、精神論のような業務命令が伝達されると。蟻地獄のようなDeath March の無限ループらしいので、皆様の心情には「そうも言いたくなるよな」と感じます。
報道機関の取り上げ方も「どことなくピント外れ」ですし、あのような取り上げ方の方が視聴率上がるのでしょうが、そうやって形成されていく「世間の空気」で後にこまるのは「世間の空気を作った人」なのだろうと感じる事しばしばです。
んでそんな人は困難が降りかかったら「何か別の悪者」を攻撃するのでしょう。それでは根本的解決にはならないと思うのですが、嘆息。
Rom専でしたが
#-
2008/06/05 | URL | EDIT
私は開業医ですが、去年の10月か11月頃の事でしたか、
ウチの地区の医師会の会長が、
「昨日、〇〇議員の後援会でメタボ健診の話を、厚生労働省の担当者ってひとから説明を受けたんだけど、その担当者はあまり内容を良く把握していない。
おかしいと思って色々聞いたら、8月に担当になったばかりでまだ良く判らないんですって言ってたよ。」
と、苦笑してました。後期高齢者制度の方もきっと五十歩百歩なんでしょうね~。
心中お察しいたします。何もできませんが、お体は大切に。
ぱたりろ
#-
2008/06/06 | URL | EDIT
私も(いや、事務局全般かな?)準備委員会時代から「現職」さんのブログには大変お世話になりました。とにかく情報不足の状態の中、このブログが貴重な情報源でした。特に電算関係はいろいろ参考にさせていただきました。
それにしても、その当時は、今日のこの大混乱は予想できませんでしたね。政省令がなかなか出てこないあたりから怪しくなってきて、標準システムのリリースの遅れ、トドメは参院選後の追加の保険料軽減策の発表。直前になっても政府広報がなかなか出てこないし、この状況で本当に大丈夫なの?と不安に思っていたらこの有様。
始まる前はほとんどこの制度の事を伝えていなかったマスコミは、混乱を煽って面白おかしく伝えて、強行採決までして法律を作っておいて、世論の風向きが悪くなると、選挙に不利だと感じ、手のひら返しで、「この制度は良くない」と名称を勝手に変えたり、廃止や中止を言い出す国会議員。おまけに混乱の原因を現場に押し付けるような大臣の発言もあり、本当にこの国は全く「無責任国家」だなと痛感しました。
本当に必要なのは、高齢者医療の財源をどう確保するべきかという事。高齢者は増え続け、現役世代は減っていく(総人口も減っていく)時代に、いつまでも現役世代の負担に頼ることが出来るのかという点です。国も地方も大借金を抱えて、破綻しかけている状況で、もっと税金を投入しろという議論はナンセンスです。高齢者の方にも大分の負担はお願いしないといけない状況にあることは誰もがわかっているはずです。目先の利益で議論するのではなく、長期的な視点でどうするべきか議論してほしいものです。そういう事を考えるいい機会にはなりました。
最後は愚痴っぽくなりましたが、何とか現場から声を上げて、制度の見直しを図っていきたいものです。
#
2008/06/08 | | EDIT
現職公務員SE
#1tpQKjho
2008/09/11 | URL | EDIT
皆さんコメントどうもありがとうございます&お返事ものすごく遅くなってすいません。
お陰で臨時とはいえブログを更新できる程度に業務の方は落ち着いてきました。
でも、先行きは真っ暗ですね。
準備段階から険しい道だなと、は思いつつも、こうなることは全く予測できませんでした。
今となってはもう成り行きを見守ることしかできませんが、まあ体を壊さない程度に対策を練っていこうと思います。