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まず「高齢者の医療の確保に関する法律第50条第2項」により、従来の老人保健と同様、後期高齢者医療においても一定の障害程度にあると認められたものは65歳から被保険者になることができることが明記されている。
そして「健康保険法等の一部を改正する法律附則第37条」により、平成20年3月以前に市町村が行った障害認定については、平成20年4月以降、広域連合が行った障害認定と見なす、という規定がある。
ところが、この障害認定申請は取下が可能である。
高齢者の医療の確保に関する法律施行規則第8条第2項には、
「前項の規定(=障害認定)による申請をした者は、いつでも、将来に向かってその申請を撤回することができる。」
とある。
また現行の老人保健制度も、明文化はされていないが、障害認定の取下げが可能である。
つまり現在障害認定で74歳以下で老人保健になっている人は、何も手続きをしなければ自動的に後期高齢者医療の被保険者となり、月々の保険料を年金天引きで払うことになるが、
もし事前に手続きを行えば、後期高齢者医療に移行しなくなるわけである。
(また後期高齢に移行した後でも届出時点から取り下げることが可能)
これの条文に対する各自治体の対応も様々だ。
個別に勧奨通知文を送り、後期高齢者医療制度への移行の意思を確認する自治体もあれば、専用の相談窓口を設ける自治体もある。
かと思えば、制度全般の中での周知に留め、そういった個別の意向確認を行わない自治体もある。
各自治体により様々な事情があるため、いずれがベストとも言いがたいが、
ただ一つ言えるのは、この問題を保険料だけで語るのはあまりにもナンセンスだと言うことだ。
論より証拠。以下の問題を考えていただきたい。
「現在65歳以上74歳以下で、老人保健の障害認定を受けられている方は、事前に取下の届出をしていただくことにより、平成20年4月以降も現在の保険に加入し続けることができます」
さてこれは、本当かウソか?
市町村国保や社保の本人であれば、恐らく問題はなかろう。
だが、社保の被扶養者については認定を切られる可能性が絶対にないと言えるだろうか?
社会保険の扶養認定については、主に血縁や生計の依存関係により判断されるが、その最終的な裁量権は各保険者にある。
中でも企業の健康保険組合は、社会保険事務所(政府管掌)とは異なる独自の認定基準を持つことが多い。
一番多いのは、いわゆるニートを扶養家族にすることは認めない、という規定だ。
たとえばある企業の健康保険組合では、18歳以上から60歳未満のものは就労できない状態(学生、重度障害等)にあることを証明しなければ被扶養者となることは出来ないのである。
実際に被保険者が扶養していてもニートが扶養から切られるのである。同様な論理で「後期高齢者医療で手厚い医療が提供されるから」と65歳以上の障害者が扶養から切られないとは、どうして断言できようか。
えげつない言い方をすれば、例えば腎臓障害で透析をじゃんじゃん受けている者を「あと10年面倒見てください」と言われたときに、金勘定にうるさい民間健保は快く承諾するだろうか?
たとえ厚生労働省や各社会保険事務局が想定していない運用であろうとも、65歳以上障害者の扶養を切る健保は必ず出てくるだろう。(それが法規への理解度の低さによるものか、意図的なものかに関わらず)
他にも給付、とりわけ各自治体の医療助成制度との問題もある。
が、これは極めてデリケートな政治的問題を内包するため、ここでは割愛、後期高齢者医療制度SNSの中で続きを書こうと思う。
ともあれ、障害認定申請の取下の取り扱いは極めて難しいことは確かだ。
なお、以前の記事でも触れたとおり、この障害認定取下規定は、ありとあらゆる「保険の裏技」を作り出す温床となっており、今後様々な社会問題が発生する可能性がある。
再認定には一定の制限を設けるべきなのかもしれない(取下後の再認定は制度上可能であるが、それを是とするか否とするかは広域連合の判断である)。









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