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例の未定稿にこういうくだりがある。
本方式については,現在検討中のものであり,今後著作権などに関して関係する省庁などとの調整等を踏まえて実現可否を決定することになります。
そういえば某SNSでも「住基ネット外字の版権は…」と言及していた会員がいた。
果たして文字コードや外字に著作権があるのであろうか。
もしそうであるならば、外字を広域連合に提供して同定作業を行うこと自体、いろいろ面倒な事前調整が必要であることになる。
いやそもそも、外字自体に著作権があるのならば、その外字が用いられている住民票の写しなどの印刷物をコピーすることに著作権法上の制約が発生するであろう。
そんなことがあるのだろうか。
過去には字面(タイプフェイス)には著作権が認められないという判例がある。
一方で、外字のデジタルフォントには著作権が存在するという判例もある。
http://www.kondolaw.jp/hanrei_font.html
では、住基ネットの統一文字コードの場合はどうなのであろうか。
ややこしいので、ここでひとまず用語を整理しよう。
字面(タイプフェイス)というのは、特定の文字の見た目である。表現形式ということもできる。
例えば「字」という漢字は明朝体的な表現も出来るし、ゴシック体的な表現も出来るし、筆記体や毛筆体にも出来る。
しかし文字としてはいずれも「字」であり、字面によって文字の本質(意)が変化するわけではない。
そしてあらゆる文字に対応する字面の一式が、いわゆるフォントである。
一方で文字コードというのは、電算処理されるバイナリ(二進数)コードとそれに対応する文字を結びつける規格、決まりごとであり、JIS、SHIFT-JIS、Unicodeなどが代表的な文字コードである。
が、その文字がどのような字面であるかは文字コードではなくフォントで決まるわけである。
未定稿などで取沙汰されてきたのは文字コードのことについてであるが、
実際我々が被保険者証や賦課決定通知書を作成するためには文字コードだけでは成しえない。
文字コードによって指定される文字の字面を各種出力装置(ディスプレイやプリンタなど)に出力するためのプログラム群やデータ群が必要である。
要するに、これがデジタルフォントである。
プログラムはいうまでもなく著作物である。それは著作権法第2条にも明記があるし、それを登録するための専用の法律や、団体もある。
構成要素としてプログラムを有するデジタルフォントには、当然著作権が存在する、という論理であり、
現に我々は外字ソフトウェアのライセンスを購入するという形で、そのデジタルフォントの利用権を得ているわけである。
そう考えれば、未定稿でいうところの「著作権」も「統一文字コード」そのものではなく、それに対応するデジタルフォントたる「住基ネット明朝」の著作権のことを差し、
「調整」というのは、標準システムに住基ネット明朝を実装するための著作権上の調整のことと考えるのが自然である。
が、もしかすると統一文字コード自体にも著作権が存在するのかもしれない。
規格や決まりごとに著作権があるというのは変な話だ。実際、UnicodeやUTF-8の著作権など聞いたことがない。
だが、経済産業省はJISの著作権が日本国にあると主張している。
この考えが著作権法上正しいのかどうか分からないが、もし是とするならば統一文字コード自体に著作権が存在してもおかしくない。
ともあれ統一文字コードの件については厚生労働省が上手くやってくれることを祈るしかないが、
実はこうした著作権の問題、最初に述べたとおり、市町村や広域も無縁ではない。
その話については次回にしたいと思う。









COMMENTS
たいぞう
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2007/11/04 | URL | EDIT