公務員叩きに物申す!−現職公務員の妄言 システム運用保守に、後期高齢者医療制度に、公務員叩き批判に、行政改革に、福祉行政に、ITに、WEB2.0に、SNS管理に、VBに、Scriptに、情報セキュリティに、IPネットワークに、SEOに、ほんの少し家族サービスなブログ。

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 高齢社会における医療報酬体系のあり方に関する研究会報告書(平成18年12月25日発表)

http://www.kokuho.or.jp/intra/html/shiryou/lib/kenkyuu_houkoku1_20061226_2.pdf
http://www.kokuho.or.jp/intra/html/shiryou/lib/kenkyuu_houkoku2_20061226_2.pdf
http://www.kokuho.or.jp/intra/html/shiryou/lib/kenkyuu_houkoku3_20061226_2.pdf

 国保中央会がまとめた報告書が物議をかもし出している。
 またとんでもない話を持ってきたな、というのが筆者の第一印象であるが、内容を簡潔にまとめると、以下のとおりとなる。

 1.後期高齢者は、原則として診療所の中からかかりつけ医を選ぶ。
 2.病気になった場合には、最初にかかりつけ医を受診することを原則とする。
 3.かかりつけ医は診察、治療(専門医や病院への紹介を含む)の他、健康状態の把握、健康上の相談、リハの指導、ターミナルケアの対応と看取りを行う。
 4.かかりつけ医の報酬は登録された後期高齢者の人数に応じた定額払い+出来高払い。

 これに対するメリットとしては以下のようなものをあげている。

 1.医療機関に対するフリーアクセス(「いつでも、誰でも、どこへでも」)の中の「どこへでも」をある程度制限することにより病診機能が明確になり、効率的な医療が提供される。その結果、真に医療を必要とする人に必要な医療が提供されるようになる
 2.後期高齢者におけるQOLの向上が推進される
 3.診察から入退院、リハビリテーション、介護サービスとの連携まで含めて、継続的な医療が推進される

 で、アクセスを制限するとは、こういうことなのであろうか。

日立SE   「勘弁してくださいよ、年始ですよ」
電算担当職員「かかりつけSEに年始もクソもないでしょ、なんのために保守費用払っているの?」
日立SE   「で、障害起きたのはどれなんですか?」
電算担当職員「住基システム」
日立SE   「ええっ?幾らなんでも無理ですよ。だってこれNECの汎用機でしょ?」
電算担当職員「何言ってるの、君、かかりつけSEでしょ?」
日立SE   「Expressならともかく、ACOSは無理ですって」
電算担当職員「こっちだって最初からNECのSEに頼みたいけど、初期障害切り分けはかかりつけSEがやるって規則だから仕方が無いでしょ?さっさと適当な診断書いて紹介状書いてよ」

 冗談はさておき、現場の反応は早い。
 早速何人かの医師ブロガーの方々がこの問題を取り上げていた。

アクセス制限とコスト(医局脱出へのカウントダウン)
アクセス制限とコスト(医局脱出へのカウントダウン)

 Dr.Poohさんは、アクセス制限による外来診療の医療費削減など微々たるもので、かかりつけ医制度の本丸はターミナルケアのコスト削減だと分析している。

かかりつけ医制度は医療費を抑制しない(ハードSFと戦争と物理学と化学と医学)

 一方でinoue0さんは外来重複頻回受診が国民医療費を高騰させているという(誤った認識の)世論を反映したものだと述べている。
 (どうでもいいけど、初診の保険外併用療養費を数万円に値上げってのはやりすぎでしょ)

イギリス型(へなちょこ医者の日記(当直日誌兼絶望日誌))
イギリス型2(へなちょこ医者の日記(当直日誌兼絶望日誌))
イギリス型3(へなちょこ医者の日記(当直日誌兼絶望日誌))

 physicianさんは別の視点である。
 まず開業医が専門外の分野において初期診療を任されることのトラブルを懸念しているが、一方でこの案自体は厚労省の全面定額制を牽制したものではないかと分析している。

 真偽は定かではないが、もしそうだとしても、もう少しマシな案はなかったものか。
 欧州の制度を参考にしたらしいが、欧州各国(特にイギリス)の公的医療保険が崩壊しているのは有名な話である。

 かかりつけ医というのは、もし見つけることができれば確かに貴重な存在だ。
 しかし、それは選択を強制するようなものではない。
 仮にそういった制度を導入するとしても、診療所が量、質ともに地域格差が無く、十分な情報提供がなされていなければ巧く機能しないであろう。
 また初期診療のミスによる医療過誤や訴訟の増加も予想される。
 (そういえば公務員が非効率といわれる所以はゼネラリストであるからだ、という話をどこかで聞いたことがある)

 何より見落とされている大きな問題がある。

 「そういう」診療報酬体系にする以上、それをチェックできなければ意味がない。
 後期高齢者の被保険者マスタに「かかりつけ医」の医療機関番号を履歴付きで保有し、レセプトデータと突合して妥当性をチェックする。
 そういった機能が必須であろう。

 もちろん、こういった機能は11月22日版未定稿のどこを探しても無い。

 給付関連機能の要件定義が固まるのに時間がかかることは想定の範囲内であろうが、
 資格関連の機能についても、当の開発委託者が早々に方針変更、仕様変更を示唆していることを「気になる木」さんはどう受け止めているのであろうか。

 そして「標準システム」外で対応せよという話になれば、広域連合と市町村は莫大な資金と労力の投資を強いられることになる。
 もちろん、この強行軍のスケジュールの中、そんな余力があるはずもない。

 大きな問題がもう一つ。

 「どこを窓口としてかかりつけ医の登録を行うのか?」

 恐らく市町村であろう。
 これは大変だ。かかりつけ医登録業務と苦情対策のために、全国の担当課長は平成20年度からの人員配置を再検討せねばならない。

 我々は後期高齢者医療制度の基盤整備のために奔走しているわけであるが、
 その労は決して報われることは無く、評価はうえに乗っかる診療報酬体系でほとんど決まるといっても過言ではない。
 そして診療報酬体系は我々の手の届かないところで勝手に決まっていき、その苦情処理は市町村が矢面に立つことになる。

 なんともやりきれない話ではないか。


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