公務員叩きに物申す!-現職公務員の妄言 システム運用保守に、後期高齢者医療制度に、公務員叩き批判に、行政改革に、福祉行政に、ITに、WEB2.0に、SNS管理に、VBに、Scriptに、情報セキュリティに、IPネットワークに、SEOに、ほんの少し家族サービスなブログ。

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 過去の記事のコメントでも触れられたが、先進国の中でもアメリカは合計特殊出生率がずば抜けて高い。
 大きな要因として移民の影響や堕胎を許さない法律を備えた州の存在があるが、やはり企業が育児支援に熱心なのが最大の理由であろう。

 フレックスやワークシェアリング、在宅勤務はもちろんのこと、病児保育まで導入する企業もあるという。
 日本でもようやく保育施設を設ける企業が現れてきたが、病児保育となると、企業はおろか行政サイドでも導入しているところはほとんど見当たらない。
 
 決して慈善事業ではない。その方が得をするからやっているのである。
 実際、子供の看病のために社員が仕事を休む損失よりも、病児保育にかけるコストの方が安いそうである。
 もちろん社員にもメリットがある話であるから、優秀な人材も集まるようになる。
 損得勘定を突き詰めると、企業は育児支援を行ったほうが得なのである。

 「アメリカではそうかもしれないが、日本は事情が大きく異なり、単純比較はできない」
 そういう反論があるかもしれない。
 だが、どうやらそうでも無いらしいのである。

 厚生労働省がニッセイ基礎研究所等に委託した調査によると、育児支援に手厚い企業は社員一人当たりの経常利益が高く、また質量ともに十分な人材が確保できているとの結果が出ている。

 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/06/h0623-2.html

 これはいろいろな見方ができる。

 実際、企業は育児支援をした方が得なのであるが、トップの頭が固く古い価値観にとらわれているため、方針が転換されない。
 もちろんトップの頭が固くて価値観が古いことによるデメリットは、育児支援方面だけにとどまるものではない。
 だから結果として業績が伸びず人材も集まらない。 
 そういうことなのかもしれないし、
 あるいは逆説的に、業績が伸びず人材も集まらない企業だから、育児支援をする余裕が無いと見ることもできる。

 いずれにしろ、育児支援が薄っぺらい企業に就職してはいけない。
 それだけは真理だと言えそうだ。


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 極論を言えば、福祉施策とは税金のバラマキである。

 重要なのは、そのバラマキ方だ。
 現金なのか、現物(サービス)なのか、控除なのか。その対象は誰か。全てはそこに集約される。

 今まで述べて来たとおり、少子化問題は決して家庭の経済的問題ではない。大企業の社員よりも中小企業の社員のほうが子供が多いのが何よりの証拠である。
 その根源は精神的な問題であり、克服するには国民も企業も意識の改革が必要である。

 残念ながら、金銭で人の意識や価値観を変えることは困難だ。 
 だが、精神面の問題をクリアしている者に経済的支援を行うことは決して無価値ではない。

 即ち子供が3人以上いる家庭に大きな経済的支援を行う「3人目施策」である。

 女性が子供を産むには、夫や家族の理解、あるいは(働いているならば)職場の理解が必要である。 
 そうした前提条件が無ければ女性は子供を産まない。
 そして女性が2人目の子供を産むためには、1人目を産んでよかったという実感がある、即ち夫や家族や会社の理解が偽りではない確固たるもので、かつ女性が子育てに喜びを見出せていなければならない。
 要するに、子供が2人いる家庭は、メンタル面や環境面を全てクリアしており、3人目への障害があるとすれば、経済的問題や母親の生理的(肉体的)問題ぐらいであると推測できる。
 ここに経済的支援を行えば、大きな効果が期待できるのである。

 同じ発想で、社員に育児休暇を与えた中小企業に対して支援金を与える事業や、不妊治療に対する助成金も同様に効果があると言えよう。

 だが、所詮これらは費用対効果に焦点を絞った場当たり的施策に過ぎず、本当の意味での福祉ではない。 
 そもそも社会福祉とは「幸」少なきものに、平等となるべく「幸」を与えるものである。
 然るに、子育てに関する福祉施策の本旨とは、それを望むものが安心して幸福に子育てを行うことができる社会を形成することである。
 そのためには、根源たる精神的問題を意識改革によって克服する必要がある。

 それを成し得る唯一の手段とは、

 他ならない「教育」なのだ。




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 今回の連載を行うにあたり調査を進めている途中で、日経BP社のHPの中に森永卓郎氏のコラムを見つけた。
 引用やリンクは著作権法上の問題があるので難しいが、氏は自身のblogの中でもほとんど同じ内容の意見を記載されているので、こちらを紹介したい。

http://blog.goo.ne.jp/moritaku_goo/e/b498f729c20aec53574072a90fcd7af5

 ご存知の方も多いと思うが、氏は「非婚のススメ」でシングルライフを勧めた張本人である。
 最近手のひらを返したように、もっとも有効な少子化対策は非婚対策だと述べているわけであり、実にいい加減なものであると思う。

 さて中身を見ていくと、面白いぐらい筆者の意見と正反対である。
 「働く女性が生む子供の数は、専業主婦の生む子供の数を上回っています。働く女性の支援で、出生率の大幅な上昇が見込めるということは、あり得ない」
 というblogの中での意見は明らかに筆者と食い違う。
 勤労女性の支援により、専業主婦が仕事に復帰することもありうるし、今まで働いていた女性が退職しなくても済むかも知れず、それにより家計上の問題が解決されれば、子供が増える可能性は十分にあるからである。
 少子化対策の大きなキーは男性にある、というくだりは同意できる部分ではあるが、イケメンとオタクの二極論で男性を語るのは無理があるし、なにより結婚できない男性=アキバ系、正社員として就職できない男性=アキバ系、と受け取られかねない内容には大いに抵抗がある。

 思うに、女性は子供を生み育てたいという欲求を潜在的に有しているのだと思う。
 現に、周囲の団塊ジュニアの女性からは「結婚しなくてもいいから、子供は欲しい」と言った意見が良く聞かれる。
 ならば、なぜ産まないのだろうか?
 
 それは出産や育児に対する不安が大きいからである。
 身体的、生理的な不安のことではない。

 「夫は金持ちだが仕事一筋で家庭は顧みず、家事は一切手伝おうとしない。子供が生まれれば、家事にも支障が出る。でも自分ひとりで全部やらなければならない。本当に大丈夫であろうか」

 こういう類の不安である。

 母親を取り巻く環境が昔に比べて厳しいのは既に以前に語ったとおりであり、
 それは女性自身が肌で実感しているところであろう。
 結婚さえすれば、子供が生まれる障害が全て取り除かれるわけではない。
 むしろ、その先が重要だ。

 「夫が全面的に協力してくれる。だから子供を産んでも大丈夫だ」

 この安心感なくして、女性が子供を産むことは無い。

 筆者も現役の父親である。
 保育園や近所のママ友達を通じて、いわゆるパパ友達と知り合いになる機会があるが、特徴的なのは、皆驚くほど家事や育児に協力的であることだ。
 失礼だが、決してイケメンや金持ちでない方も多い。
 以前の記事のコメントにも記載しているが、給料が高い大企業社員よりも、給料がより安い中小企業の方が正社員1人当たりの子供の数が多いという分析もある。
 つまりはそういうことなのである。

 「君を一生守り続けるよ」
 
 確かに現代ではこの言葉は薄っぺらい。
 だが、女性を守るということは、決して女性を金銭で囲って家政婦にすることではない。しかしながら、なお未だに家事や育児に非協力的な古典的な男性が大多数である。だから現代の女性は即物的に「イケメン」「金持ち」で代替的な欲求を満たそうとするのではなかろうか。

 女性が強くなった今、女性が男性に求めるものはもはや強さではない。安心感である。
 
 「君を専業主婦として養っていくことはできない。だから働き続けて欲しい。でも家事も育児も精一杯手伝うよ。仕事よりも君や育児のことを大切にするよ。守る、とは言えないけれども、一緒に歩いていこう」

 実は、こういう男性こそ、今の女性に望まれているのだと思う。




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 誤解を恐れず言えば、日本は明らかな男女不平等社会である。

 一昔前であるが、「くたばれ専業主婦」という本が話題になった。
 内容を要約すると「結婚して仕事をリタイアした既婚女性」対「仕事を持ち続ける独身女性」の対立構造を、2ちゃんねるテーストで過激に表現したものである。
 個人的には面白い内容だと思うが、賛同できない面も多々ある。
 昔、著者の石原理沙氏にEメールで自分の意見をぶつけて見たところ、真面目な内容の返信が来た。とても律儀な方である。 
 他には、酒井順子の「負け犬の遠吠え」が記憶に新しい。
 こちらも未婚女性を負け犬と自虐的に卑下し、「勝ち犬」と「負け犬」との対立を面白おかしく書いた作品である。

 ここで1つの疑問が浮かぶ。なぜ「専業主婦」か「独身キャリア」かの二者択一なのだろうか。
 
 それは現代の日本の女性にとって、出産や育児の負担が余りにも多いからだ。
 このことは1つ前の記事にも書いたところである。
 とてもではないが、仕事と両立はできない。だから育児を選択する場合には退社する。合理的な考え方である。

 ところで企業が営利追求による効率を求めると、定着率の低い女性よりは男性を重要なポストに付けたがるようになる。
 (しかしながらこの考えは男女雇用機会均等法に反する)
 欧米の雇用は中途採用が一般的で、大学での研究やそれまでのキャリアにより判断され、即戦力であることが求められる。
 日本は、崩れてきたとはいえ、未だ新規採用終身雇用が一般的である。企業は主に大学ブランドによる資質のみを判断し、即戦力であることは求めない。そして教育や研修により、時間をかけて自社カラーに染めていくのである。
 ところが、教育を施しても還元されるまえに退社されたら、企業は大損である。
 だから、企業は女性よりも男性をより重用するのである。

 一方で、子供が居たり、ローンで新居を購入した男性社員は、企業にとって実に都合が良い。
 社員の立場からすれば、安定した収入が必要となるため、容易に退社や転職ができないのである。
 つまりは企業の都合の良いコマとして使われる。
 子供が生まれた途端、単身赴任や子会社への出向を命ぜられた、というのは良く聞く話である。
 こんな状況では育児を手伝えるはずもない。 
 
 要するに、
 「男性が育児を手伝わない」→「女性が育児に専念するために退社せざるを得ない」→「企業は男性により重要な役割を担わせるようになる」→「男性はますます育児を手伝うことが出来ない」
 という悪循環である。
 逆に言えば、この悪循環さえ断ち切れば、雇用上の男女差別が解消され、かつ少子化対策にもなる。
 良いこと尽くめである。
 この鎖を断ち切る鍵は、男性陣のモラルと企業風土の改善にある。

 男性陣よ、勇気を持って育児休業を取得するべきである。
 「出世に響く」というちっぽけな考えは捨てるべきだ。
 だいたい、芋洗いの団塊ジュニアの中で、多少順位が落ちたからといって、どうということがあろうか。
 プロレタリアのラットレースの順位の確保は、子供を得る喜び以上に大きなものであろうか? 
 お金が欲しいなら、株など、給与以外で儲ければよいのである。

 そして企業は、こうした男性の育児参画に理解を示すべきである。
 効率化を追求しすぎると、少子化を招き、労働力不足から結局自分達の首を絞めることになるからだ。




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 前回の記事を読んでも、いまいちピンとこないという方がいるかもしれない。
 そういう場合は、仕事に置き換えると分かりやすい。

 こういうと「育児は仕事じゃない!楽しんでするものだ!」と反論される方もいるかも知れないが、 
 仕事人間の鈍い男性に納得してもらうには、この喩えが一番良いのである。

 さて、「育児」という重要なプロジェクトがある。
 プロジェクトリーダーは母親だ。
 チーム構成員は母親以外に父親、祖父母、兄弟、そして臨時の助っ人として隣人等がいる。
 父親はほとんどプロジェクトの実務には携わらないが、意思決定に重要な役割を果たしている。
 ようするに、これが昔の家族像である。
 こうした構成員で、プロジェクトは順調に進められていた。

 ところが、プロジェクトが繰り返し進行するにつれ、人員が削減されていき、ついには、母親と父親しかいなくなってしまった。
 核家族化の進行である。
 通常ならば、人数が減れば、1人あたりの業務量は均等に増加するものである。
 ところがこのプロジェクトでは父親の業務量は増加しない。他のプロジェクトにも参加しており、手が回らないのである。
 必然的に、負担は母親に一気にのしかかる。
 そもそも元々5人以上で行っていたものが、たった2人になり、しかも父親の分担が増えないとなれば、母親が潰れるのは明白である。

 それだけではない。
 既にプロジェクトに(楽な状況で)成功を収めた団塊の先輩達が、どんどんプレッシャーをかけてくるのである。
 「これくらいのプロジェクトで何をもたもたしているんだ」
 「何だ、この出来は。もっと真面目にやらんか!」
 母親は保育園などのアウトソーシングも考えるが、社内での評判は良くない。何より故障(病気)のときは役に立たない。
 その上コストが高いのである。
 まさに孤立無援である。
 こんな状態ではすぐにウツ状態になることは想像に難くない。 

 あるSEが、極限の労働環境でCドライブ全消去を実行しそうになった、という話を聞いたことがあるが、そういう心理は自分も理解できる。
 要するに、児童虐待とはそういうことである。

 児童虐待が起こる度に、マスコミは行政の介入が遅れたことを非難する記事を書き立てるが、これは無責任極まりない。
 プロジェクト「育児」において、行政が措置などの介入を行うということは、
 監査セクションの人間が上がりこんできて、
 「残念ながらプロジェクトは失敗です。貴方では成果を出すことができない。後は我々に任せてお引取り願いたい」
 そう母親に宣告することなのである。
 劣悪な環境で、孤立無援で頑張ってきたのにも関らず、である。
 貴方がもし母親の立場ならば、このようなことが受け入れられるであろうか。

 言うまでもなく、母親に必要なのは行政の介入などではない。
 休暇と補充人員と、そして何よりもねぎらいの言葉が必要なのである。




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 子育ては大変だというが、なぜであろうか?

 昔の人の体力と精神力が現代人と比べて格別に勝っていたわけではないし、現代の赤子が昔に比べて育てにくくなったというわけでもない。
 変わったのは子供を取り巻く環境である。

 簡単にまとめると、

 核家族化による育児の負担感の増大
 女性の権利向上を主要因とした多様なライフスタイルや価値観の広まり


 ということになる。

 「そんなことは言われなくても分かっている」

 という人に限って理解していない。
 この問題は相当根深いのである。

 現代社会を牽引して来たのは団塊の世代である。
 しかし、団塊の世代の価値観と、今の子育て現役世代(いわゆる団塊ジュニア)との価値観は大きく異なる。
 頭では分かっているつもりでも、新しい価値観やライフスタイルを受容するのは相当難しい。
 「今どきの若者は」という言葉がいつの時代になっても無くならないのが、動かぬ証拠である。

 「保育園に預けているの? 可哀想だねぇ」
 「あら、お父さんがやっているの? だらしのない母親だねぇ」


 年配の方々は、こうした何気ない言葉が少子化にますます拍車をかけていることを理解するべきである。

 「現職君、子育てで大変だと思うが、課の状況も大変なんだ。もう少し奥さんにも協力してもらえないだろうか」

 これはある市町村の管理職の言葉である。
 失格である。0点である。
 こんな発言をする人物が福祉行政セクションの管理者というのがそもそもおかしい。
 もし自分に人事権があれば、こんな役職者は即刻配置換えである。

 「病気のときぐらい母親が面倒を見るべきだ」

 これはある市町村の長の言葉である。
 最悪である。
 トップがこんなメンタリティで、少子化対策が上手く行くはずが無い。
 予算を組むだけ無駄、税金の無駄遣いである。

 アメリカのADAを始めとした障害者施策は有名であるが、
 特徴として、障害者福祉に関連する行政機関の要職を障害者自身が数多く占めているということがある。
 日本の行政も、少なくとも少子化対策セクションに関しては現役子育て職員で固め、男性職員の育児休暇を義務づけるぐらいのことをしないと、実効性のある少子化対策施策など生まれてくるはずもないのだ。

 さて、老人や団塊世代だけが問題かというとそうでもない。
 若者も大いに問題である。

 小さな子供を連れての外出は本当に大変である。
 荷物も多くなれば、ベビーカー等も必要となる。行動は物理的にも時間的にも制約を受ける。
 ところが外へ出てみれば、周囲の人間、特に若者は大抵非協力的である。
 そればかりか「ちょっと、あれマジうざくねー?」といった暴言を浴びせる場面も見られる。
 乳児の周辺で平気で喫煙をする者も見られる。

 これは要するに子育て経験が無いから、理解が無いのである。
 ところが、本来子育て経験者というのは親のみではない。
 昔は5人兄弟が当たり前のように見られた。育児は母親のみならず、兄弟も参画した。たとえ末っ子であろうと、近くの子供の面倒を見たりする機会があったものである。
 ところが、核家族化が進行し、実際に親にならなければ、子育ての大変さは理解できなかった。
 子供が少ないから子育て経験者が少なくなり、理解が得られにくくなるという悪循環である。
 ある意味罪が無い。
 罪が無いから、余計始末に終えないのである。 

 多様性を受容すること、そして時代の変革を受け入れること。

 少子化問題というのは様々な要因がある。
 だが、どの問題を各論的に分析していっても、最終的にはこうした精神的な問題に帰結する。
 要するに国民全体が、まず意識を変えなければ、絶対に解決しないということである。

 そして、こうした考え方は、少子化対策のみならず、福祉施策全てにおいてあてはまるといえよう。




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 日本は今までにない高齢少子化時代に突入しようとしている。

 政府は「1.29ショック」という大層な名前まで付け、その対策にやっきになっている状態である。
 少子高齢化は様々な悪影響を及ぼすからだ。

 まず第一に、年金をはじめとする社会保障体制が崩れることだ。
 こういうと「某省庁が公用車やマッサージ器などで使い込んだのが原因であり、問題のすりかえだ」という意見が出てきそうである。
 もちろん不正は正さねばならないが、そうした問題は切り離して考えるべきである。
 仮に浪費された資金が全て返還されたとしても、年金制度の未来が明るくなるわけではない。
 なにより、社会保障は年金だけではない。
 医療、介護、生活保護。これらも全て少子高齢化によって大きく影響するのである。

 第ニに、労働人口が減少することである。
 日本企業が今までと変わらぬ競争力を確保するためには、拠点を労働力の豊富な国外に移すか、労働力としての移民を受け入れることを選択せねばならない。

 一方で、少子高齢化は先進国として自然の流れであり、行政が介入するべきものではない、という意見もある。
 人口が増加し続ける前提の政策自体に無理があるのであって、甘んじて受け入れるべきだということだ。

 確かに一理ある。
 だが、本当に問題なのは「高齢少子化」という状態に至ることではない。
 「高齢少子化」という状態に至る「速度」こそが問題なのだ。
 65歳以上人口が7%から14%になるまでの所要年数は、フランスの130年、スウェーデンの85年に対し、日本はわずか24年である。

 フランスやスウェーデンはゆっくりと成熟社会への行政政策の転換を行うことができたが、日本にはその時間が無い。
 つまり、高齢少子化の速度を落とさないと、世代間の不公平が顕著に現れるのだ。
 生まれた年がわずか1年違うだけで天国と地獄。そういう事態も起こりうるだろう。

 ともあれ、これから数回にわたり、
 「少子化はよろしくない。どうすれば良いか?」
 というスタンスに基づき、行政マンというよりはむしろ、現役の親としての意見を申し述べたいと思う。




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 食育の話を医療行政に絡めようと思う。

 「動物性脂肪は体に悪く、植物性脂肪が体に良い」

 という考えは未だ根強い。
 バターよりマーガリン、調理用の油は植物油、と恣意的に選択されている方も多いのではないかと思う。
 これはかつての旧厚生省の栄養指導の影響である。

 かつて、コレステロールは動脈硬化や各種心疾患の原因であるとされ、
 また欧米で
 「動物性脂肪はコレステロール値を上げ、植物性の高リノール酸油が下げる」
 という研究結果が出た。
 
 これを受け、日本でも60年代から、
 「動物性脂肪を減らし、リノール酸系の植物油を増やせ」
 という脂質栄養指導が始まった。
 それにより動脈硬化や心疾患の予防になると思われたからである。

 ところが、これが大きな誤りであることが後に判明した。

 まず、コレステロールを動物性脂肪が上げ、植物性脂肪が下げるのは、1週間程度の短期間の話であり、1年もすれば両者の差はなくなってしまうのである。
 健康指導は長期的なものである。何ら役にたたないのは言うまでもない。

 余談であるが、そもそも、コレステロール値と心疾患との因果関係は不明瞭である。
 日本では従来の仮説どおり、血中コレステロールの増加により心疾患発病率が上がるという報告と、逆に下がるという報告がある。
 海外では、逆に血中コレステロールが低下すると心疾患発病率が上がるという報告がある。
 それとは別に、コレステロール値が多いほど癌死亡率や総死亡率が低い、即ち長生きできるという報告もある。
 
 話を元に戻そう。
 リノール酸は心疾患抑制に効果が無い。
 それだけならまだ良いが、逆にリノール酸の過剰摂取により、動脈硬化や心疾患の他、アレルギー過敏症やガンを引き起こすことが判明してきたのである。

 これらはリノレン酸(即ち魚)を摂取し、n-6(リノール酸)/n-3(リノレン酸)バランスを中心とした食事指導を行うことによって改善される。
 リノール酸は体内に必須であるが、ご飯やパン、肉などから十分な必要量は摂取できる。そのうえでマーガリンやドレッシングなどの植物性油を多量に摂取すれば、明らかに問題がある。

 こうしたことが分かってきたのは今から5~10年ぐらい前のことである。  
 巷で、魚が良いという話は聞く。肉を食うと成人病になるという話も未だに聞く。一方で、植物油が危険だという話はほとんど聞かない。

 現在、日本人の動物性脂肪の摂取量は欧米より少ないが、摂取脂肪中のリノール酸の占める割合は高い。
 そして旧厚生省の栄養指導の結果、明らかに心疾患死亡率に影響が出ていることが分かっている。
 最近アトピーの子供が増えているが、これも母親のリノール酸過剰摂取と密接な関係があるのは言うまでもない。

 さて、「心疾患」や「ガン」はかつて「成人病」と呼ばれていたが、旧厚生省はそれを「生活習慣病」と改称し、食生活や飲酒、喫煙など、生活習慣そのものが原因だと定義づけた。
 そして、生活習慣たる「食生活」を誤って指導していたのは、旧厚生省であり、増加の原因の全てとは言わないまでも、大きな要因の1つであることは確かである。
 生活習慣病は莫大な医療費を消費する。
 そして今度の医療制度改革において、その予防と改善は、数値目標付きで地方自治体に課せられることは以前の記事で既に述べた。

http://genshoku.blog69.fc2.com/blog-entry-24.html

 要するに、政府は失態により国民の健康を害したばかりでなく、そのツケを地方自治体に回そうとしているのである。
 世の中、このようなことがまかり通って良いのであろうか。

 なお、最近サプリメントで流行の「共役リノール酸(トナリン)」はリノール酸の異性体であり、全くの別物である。
 ただし、不純物としてリノール酸を含む可能性はある。過剰摂取はオススメできない。




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 医療は利益追求であってはならない。
 だが、利益追求主義と無縁でいられないことも事実である。

 マラリアという病気をご存知であろうか。
 日本では海外での感染者を除き、ほとんど発生しない病気であるが、名前ぐらいは聞いたことがあるかもしれない。

 ある種の蚊によって感染し、年間3億~5億人の患者、150万人~300万人の死者が発生している。
 感染者の規模において、HIVなどの比ではない。

 マラリアの治療薬としてポピュラーなのはクロロキンであるが、開発から既に60年を経過し、耐性菌が多量に発生している。
 そして、それに変わる決定的な代替薬は無い。
 何より、これだけ世界的な病気であるにも関らず、未だワクチンが存在しない。

 何故であろうか?

 答えは簡潔明瞭だ。
 マラリア治療薬やワクチンは儲からないのである。
  
 マラリア感染者の90%以上がサハラ以南のアフリカ、貧しい国々の人々だ。
 新規に開発された新薬は高い。
 日本やアメリカならともかく、中南部アフリカでは、個人はもちろん、国家レベルでも十分な量を購入するのは困難である。

 1993年のマラリアに対する国際的な研究開発費用は、ガンの約30分の1である。
 売れないことが分かっていて高額な研究資金を投資する製薬会社はいない。
 当たり前の理屈である。
 うまみのある市場あっての研究開発なのだ。
 
 これは日本でも同じである。
 医療は利益追求であってはならない。
 しかし、良い医療を提供するための製薬や医療機器は紛れもなく利益追求主義の産物である。

 だから様々な矛盾が起こる。

** 追記 **

 7月6日、カテゴリーを修正しました。




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2006
0704

 さて、グアムでの土産話でも書こうと思う。
 
 娘がレストランで大騒ぎだったとか、女房殿の免税店ブランド物あさり武勇伝とか、筆者が流水プールでワカメのように連日浮かんでいたとか、そんな月並みな話でも良いのだが、せっかくだから公務員や行政に関する話をしたい。

 とはいえ、日本でも普通の暮らしをしていれば、役所の世話になることはあまり無い。
 それは外国旅行でも同様である。避けて通れないのは、せいぜい税関、検疫と入出国管理ぐらいであろうか。

 というわけで、今回のテーマはUS-VISITである。

 US-VISITを簡単に説明すると、アメリカ国土安全保障省のIT技術を駆使した最新式入出国管理システム、ということになろうか。 
 訪米者は(システム導入後の)初入国時にパスポート番号と顔写真、そして指紋を採取され、データベースに登録されることになる。

 日本でも、外国人登録という制度があり、同様に指紋や顔写真等の登録を行うが、US-VISITとは大きく事情が異なる。
 外国人登録が、入国後に市町村の役所役場を窓口として、入国管理局と紙ベースの書類のやり取りを行うのに対し、US-VISITは入国の水際、しかもオンラインで行われている。
 また外国人登録は原則長期滞在者のみであるが、US-VISITは滞在期間の長短に関係なく、また日本人のグアムの短期滞在等、ビザが免除されるケースにも例外なく適用される。
 どちらが厳密で厳格かは言うまでもないだろう。テロと戦う国、アメリカならではのシステムといえる。

 さて、筆者のグアムの訪問は、今回で3回目であるが、パスポートに米国出国のスタンプは1回しか押されていない。
 1回目はまだUS-VISITが導入されていなかった。出国のスタンプはこのときのものである。
 2回目は導入されて最初の訪米である。例に漏れず、デジカメとスキャナ装置によって、顔の映像と指紋情報を採取されたが、手続き自体は、ものの1分程度で終わったと記憶している。
 ちなみに国土安全保障省は数秒と公表しているが、数秒では幾らなんでも無理であろう。長蛇の列が出来ていたことを覚えている。
 
 ところで、国土安全保障省が記録する、こうした旅行者の情報はどれくらいになるのであろうか。

 まずアメリカを訪れる旅行者の数であるが、機内で読んだ航空会社の雑誌には年間数億人とあった。
 日本の訪米者数は年間約400万人で第2位だそうである。1位は隣国カナダであろうか。
 結局、正確な全年間訪米者数は見つけることができなかった(というより、英語のウェブサイトをそこまで検索する根気がなかった)ので、仮に2億人として計算を試みる。
 登録する情報は、顔写真と指紋情報と、パスポートの情報は最低限所有している。仮に1人100キロバイトとしよう。
 単純に掛け算をすると、年間20テラバイトとなる。
 こうした情報は1年程度で破棄していては意味がないから、少なくとも数百テラバイト単位のデータベースとなる。
 莫大な規模だと言って良い。

 話を元に戻そう。今回は3回目である。
 果たして、手続きは3人で1分もかからなかった。
 パスポートをリーダーに通し、米国職員がディスプレイに一瞬目をやり、キーボードに何らか入力、あとはパスポートに入国ハンコを押して終わりである。
 前回のように指紋の登録や顔写真の撮影は要求されなかったということは、登録済みのデータベースと正しく照合されたことを意味する。
 しかも、オンラインウェイトはほぼゼロであった。手続きは昼間に行われたため、それなりのトランザクショントラフィックは存在していると考えてよい。
 素人目に見ても、優秀なシステムではなかろうかと思う。

 ところでこのUS-VISIT、利用者サイドの使い勝手はどうであろうか。
 国土安全保障省はUS-VISITによって手続きをスピーディーにするといっている。
 とにかくアメリカの手続きは日本に比べて時間がかかると言う印象があるが、US-VISITによってそれが短縮されたかというと、なるほど2回目以降の訪米は確かに手続きが簡素化されているという印象を受ける。
、しかし前述のとおり、新規登録者がいるとそれなり時間が余分にかかり、訪米1回目と2回目以降で窓口が異なるわけではない。
 かくして、US-VISITの部分もそうでない部分も、相変わらず長蛇の列である。

 まあ、そんなものである。

アメリカ国土安全保障省:US-VISIT
http://www.dhs.gov/us-visit




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