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- 2008-0324 後期高齢者医療被保険者証裏話
- 2008-0315 被保険証の証即時交付についての投票結果が出たので披露
- 2007-1230 障害認定申請取下考
- 2007-0725 全ての老人保健移行対象者の被保険者証作成を期限までに間に合わせる究極の裏技
- 2007-0712 いつでも、将来に向かって。
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この1年前の古い記事に、後期高齢者と思われる永井さんという方からコメントをいただいた。
私に送ってきました後期高齢者保険証は、文字が小さくて、読めません。最上段の有効期限は虫眼鏡でやっと確認できました。それ以外の文字数字も小さくて高齢者に対する配慮、思いやりが全く感じられません。どうしてこのような文字を使ったのか理解できません、車の運転免許証と比べて見てください。次回は見やすい文字を使うよう、是非改善をお願いします。
後期高齢者医療制度の開始もあと1週間となった。どうやら廃止とか延期とかはないらしい。
地域にもよるが、もう全国の後期高齢者のもとに新しい被保険者証(保険証)が渡っていることだろう。
その新しい被保険者証がものすごく小さく、細かくて字も読めなく、ペラペラで失くしてしまいそうなものであることにショックを受けた後期高齢者はどれくらいいるのであろうか。
実は後期高齢者医療被保険者証には、カードサイズとより大きい現行老人受給者証サイズの2種類がある。
最初、厚生労働省はカードサイズのみしか認めていなかった。
後期高齢者全員に、中身が何が書いてあるか分からない紙切れを渡そうとしたのである。
もちろん当時の全国の市町村や広域連合設立準備委員会の担当者も、これには大いに反発した。
件のコメントをいただいた記事も、元々はそのナンセンスさを皮肉った記事である。
最終的には厚生労働省は現行老人受給者証サイズの被保険者証も容認すると態度を改めた。
これを受けて多くの広域は現行老人受給者証サイズに方針転換をしたのだが、
幾つかの広域は当初の予定どおりカードサイズを固持している。
役所の悪い部分であるが、一度決めてしまったことを変えるには、ものすごい労力とコストを必要とする。
それは確かにそうなのだが、是が非でも変えなければならないときもある。
カードサイズを選択した少数の広域は、業者選定&契約後の仕様変更が困難であったのか、あるいは何らかのポリシーがあったのか。
いずれにせよ、現場の市町村を巻き込み、今後後期高齢者からの問い合わせや議会の場で「なぜカードサイズなのか」ということを説明せねばならないシーンは数多く出てくるであろう。
最悪サイズは変えられないとしても、大きめの保険証ケースを作るとか、後期高齢者に配慮した何らかの取り組みが必要だ。
このブログは全国の後期高齢者医療に携わる関係者が数多く閲覧している。
永井さんの声はきっと担当者の耳に届くことだろう。
投票結果―被保険者証の即時交付についてどう思われますか?
結果を見ると、
データの信頼性が失われても、サービスの質を確保するため原則即時交付とすべき
(11票/18.0%)
データの信頼性が損なわれるため、原則即時交付は行うべきではないが、被保険者からの求めがあればやむをえない
(23票/37.7%)
データの信頼性が担保されるようになるまで、即時交付は行うべきではない
(15票/24.6%)
データの信頼性が担保されても、誤交付のリスクや入力の負担がある限り、即時交付を行うべきではない
(12票/19.7%)
上2つを「即時交付容認」、下2つを「即時交付禁止」と分類すると、34対27で、即時交付容認側の意見の方が若干多いことが分かる。
寄せられたコメントを見て行くと、
データの信頼性が失われても、サービスの質を確保するため原則即時交付とすべき
○悩ましいところですが、即時発行できないと窓口が持たないかと。Ver3.1になって即時変更が原則できないように方針が変わったのが気になります。
○誤交付をした場合、都会では、証を交換するといっても大変なのでしょうが、田舎にいると比較的簡単に交換することが可能ですので、即時交付の方がいいと思います。
○交付されないと医療受けられないよ。
データの信頼性が損なわれるため、原則即時交付は行うべきではないが、被保険者からの求めがあればやむをえない
○市町村の既存のデータの信頼性自体がかなり怪しい現状では、これ以上の崩壊原因を作る訳にはいきませんが、保険医療制度という観点からは即時発行を躊躇うことはできないでしょう
○新規転入者には手入力して発行になるそうです(笑)
○データの信頼性を担保するための、チェック処理等が必須だと思います。
○そもそも即時発行という業務があって、その為のシステムがあるべき!逆になっているのが今回の課題!!
○広域内転居した日に病院に行くことが十分に考えられるので必要最低限の即時発行は必要で、かつ大病院に行く場合は保険証ないから・・・では通用せず一時全額負担はお年寄にはきつい
○相手を考えると出してあげたいが、実際完全に信頼できる訳ではないためむずかしい。
データの信頼性が担保されるようになるまで、即時交付は行うべきではない
○証はある時点の資格内容を反映しているもので、リアルタイムに間違いのないものが被保険者の手元にあるとは限らないが、被保険者データは正しいものが継続的に管理されなければならないと考えます。
○属性情報の一元管理が大原則である。市町村の住基DBを介することなしに即時発行を認めるべきではない。
○市町村の大小により判断も異なるであろうが、現状の国保においてはこのレベルで即時交付していると思われるので。
○利用者にとっては即日交付をしたほうが良いと思うが、自治体の後期高齢者医療制度の準備状況をみるとリスクがとても高いと思う。
データの信頼性が担保されても、誤交付のリスクや入力の負担がある限り、即時交付を行うべきではない
○住基の異動が有る場合、住所地確認のため郵送する事は必要だと思います。システムの問題以外にも即時交付出来ない理由は多々考えられ、即時交付出来ない点については別途対応が必要と思われ
○住基を知らない人間が入力するなど、考えただけでも恐ろしい。
○ALL or NOT ではなく、せめて仮保険証のような対応は出来ないのでしょうか
○手書きによる後期高齢者医療資格のある証明証(滞納による資格証明証じゃない)を発行
○せめて、全ての項目を入力しなくても採番できるようにするべき。市区町村に採番用の被保番号を与えて、仮証を出せるようにするべき。
○市町村システム側もたいへんなんです・・・
即時交付容認側のコメントを総括すると、ただ単に「サービスが低下するから」「後期高齢者の方が困るから」というだけではない。
「保険医療制度の仕組み自体において、資格があるのに被保険証を出せないのはおかしい。その前提でシステムが設計されていないのが問題」という考えが根幹にあるのだろう。
即時交付禁止側のコメントをみると、データの信頼性が失われるのも大きな問題であるが、それ以外の理由によっても「郵送交付が必要」だと言う意見もあった。
実際、郵送による後日交付は居住地の確認、滞納防止、虚偽の届出(成りすまし)の防止、など様々なメリットがある。
このメリットにどれだけの価値を認めるかは、都会と田舎で大きく考えが異なり、温度差がある。
標準システムの即時交付機能は禁止し「市町村において仮保険証を交付すべきだ」という意見も数多く寄せられた。
もちろん、これは誰でも考えることであるが、(自分の記憶が確かならば)一昨年にどこかの広域準備事務局の方が厚生労働省に確認したところ、
「保険診療、保険請求の仕組みに「仮」なんてあるわけないでしょ?」
とバッサリ切り捨てられたとか。
それに、市町村には被保険証を引き渡す権限はあるが、交付する権限はないわけで、この法的整理も大きな問題である。
市町村には被保険証を交付する権限はない。また被保険証に「仮」などありえない。
でも、「この人は被保険証の引渡し手続き中です」という医療機関向けの文書なら、それは被保険者証ではないし、市町村の「被保険者証引渡し」の権限の中で交付可能である。
まさに苦肉の折衷策であるが、修正機能を凍結(正確には修正機能のディフォルト権限付与が凍結)されて困っている広域は、一度検討してみてはいかがだろうか。(もちろん医師会との調整は必須)
まず「高齢者の医療の確保に関する法律第50条第2項」により、従来の老人保健と同様、後期高齢者医療においても一定の障害程度にあると認められたものは65歳から被保険者になることができることが明記されている。
そして「健康保険法等の一部を改正する法律附則第37条」により、平成20年3月以前に市町村が行った障害認定については、平成20年4月以降、広域連合が行った障害認定と見なす、という規定がある。
ところが、この障害認定申請は取下が可能である。
高齢者の医療の確保に関する法律施行規則第8条第2項には、
「前項の規定(=障害認定)による申請をした者は、いつでも、将来に向かってその申請を撤回することができる。」
とある。
また現行の老人保健制度も、明文化はされていないが、障害認定の取下げが可能である。
つまり現在障害認定で74歳以下で老人保健になっている人は、何も手続きをしなければ自動的に後期高齢者医療の被保険者となり、月々の保険料を年金天引きで払うことになるが、
もし事前に手続きを行えば、後期高齢者医療に移行しなくなるわけである。
(また後期高齢に移行した後でも届出時点から取り下げることが可能)
これの条文に対する各自治体の対応も様々だ。
個別に勧奨通知文を送り、後期高齢者医療制度への移行の意思を確認する自治体もあれば、専用の相談窓口を設ける自治体もある。
かと思えば、制度全般の中での周知に留め、そういった個別の意向確認を行わない自治体もある。
各自治体により様々な事情があるため、いずれがベストとも言いがたいが、
ただ一つ言えるのは、この問題を保険料だけで語るのはあまりにもナンセンスだと言うことだ。
論より証拠。以下の問題を考えていただきたい。
「現在65歳以上74歳以下で、老人保健の障害認定を受けられている方は、事前に取下の届出をしていただくことにより、平成20年4月以降も現在の保険に加入し続けることができます」
さてこれは、本当かウソか?
市町村国保や社保の本人であれば、恐らく問題はなかろう。
だが、社保の被扶養者については認定を切られる可能性が絶対にないと言えるだろうか?
社会保険の扶養認定については、主に血縁や生計の依存関係により判断されるが、その最終的な裁量権は各保険者にある。
中でも企業の健康保険組合は、社会保険事務所(政府管掌)とは異なる独自の認定基準を持つことが多い。
一番多いのは、いわゆるニートを扶養家族にすることは認めない、という規定だ。
たとえばある企業の健康保険組合では、18歳以上から60歳未満のものは就労できない状態(学生、重度障害等)にあることを証明しなければ被扶養者となることは出来ないのである。
実際に被保険者が扶養していてもニートが扶養から切られるのである。同様な論理で「後期高齢者医療で手厚い医療が提供されるから」と65歳以上の障害者が扶養から切られないとは、どうして断言できようか。
えげつない言い方をすれば、例えば腎臓障害で透析をじゃんじゃん受けている者を「あと10年面倒見てください」と言われたときに、金勘定にうるさい民間健保は快く承諾するだろうか?
たとえ厚生労働省や各社会保険事務局が想定していない運用であろうとも、65歳以上障害者の扶養を切る健保は必ず出てくるだろう。(それが法規への理解度の低さによるものか、意図的なものかに関わらず)
他にも給付、とりわけ各自治体の医療助成制度との問題もある。
が、これは極めてデリケートな政治的問題を内包するため、ここでは割愛、後期高齢者医療制度SNSの中で続きを書こうと思う。
ともあれ、障害認定申請の取下の取り扱いは極めて難しいことは確かだ。
なお、以前の記事でも触れたとおり、この障害認定取下規定は、ありとあらゆる「保険の裏技」を作り出す温床となっており、今後様々な社会問題が発生する可能性がある。
再認定には一定の制限を設けるべきなのかもしれない(取下後の再認定は制度上可能であるが、それを是とするか否とするかは広域連合の判断である)。
被保険者台帳は、市町村から提供される住民情報(住基、外録、住登外)+所得情報から調製される。
ただし、現行老人保健制度から移行する対象者は、現行の負担区分等の情報を引き継ぐため、それらに加えて市町村から提供される老人保健情報も加味する必要がある。
この現行老人保健情報が極めて厄介だ。
いわゆる仕様書確定稿によれば、平成20年本番稼動用の被保険者台帳再創生は平成20年2月中旬とある。この台帳情報をもとに広域にて被保険者証の一括作成を行い、平成20年3月中に発送、引渡しを行うことになるだろう。
それに用いる老人保健情報は恐らく平成19年12月〜平成20年1月ごろの内容を反映したものである。
言い換えれば、平成20年2月初めと3月初め(時期によっては1月も)に老人保健の資格を取得する対象者の被保険者証は、この一括作成に含まれない。
じゃあ、どうやってつくるのか。
そのヒントは確定稿の161ページにある。
この図を信頼すれば、平成20年2月以後に老人保健の資格を取得する対象者については2月末の3回目老人保健情報取込(ここに平成20年3月1日資格取得者は含まれるのか?)が起点となり、その先は被保険者証作成(オンライン)とある。
つまり、一括作成に間に合わない誕生日の対象者の被保険者証は、3回目以降の老人保健情報を反映させたうえで、オンラインで窓口端末から作成しろということだ。
何気なくさらりと書いてあるが、大型広域では1万枚を超える量である。
もしこれが市町村に降りてくれば、平成20年3月という年度末かつ制度移行期の超繁忙期の窓口業務中で、誕生月2か月分(最悪3か月分)の被保険者証をオンライン操作で作成せねばならない。
それが政令市であれば数千枚である。
ことの重大さが分かっていただけたであろうか?
もちろん、平成20年2月以降老健取得者の証も、広域で(台帳再創生分とは別に)一括作成することは可能だ。
しかしそれでは平成20年3月中に被保険者証を交付することはできない。
しかも、場合によっては老人保健情報を用いない平成20年4月以後年齢到達者と証交付のタイミングが前後してしまうこともあるだろう。
直近で住所異動等があればともかく、制度移行時期のピンポイントの誕生日だから証が間に合いませんでしたという言い訳は通用するものではない。
では、どうすれば良いのであろうか。
どうすれば、オンラインで莫大な量を処理することなく、被保険者証を制度開始までに被保険者に届けることができるであろうか。
可能であれば、平成20年2月中旬の被保険者台帳再創生に平成20年2月以後老人保健資格取得者も含めたい。
そうすれば証の一括作成の流れに乗せることができる。
件の対象者の住基情報や所得情報はこの段階でも提供可能であるから、とりあえず老人保健情報無しで台帳を調製し、証を一括作成する。
そして3回目老人保健情報取込後に、被保険者証発行用情報を突合し、差異があるものだけオンラインで再作成して一括作成分と差し替えを行うようにすれば、ずいぶん楽になる。
これならば無理のない現実的な事務処理となるだろう。
ただ、被保険者台帳再創生の段階で、経常の年齢到達処理と同じように、老人保健情報無しで台帳を調整できるか否かは定かではない。
だが心配無用。もし老人保健情報無しでの台帳調整が不可能であるならば、発想を転換すればいい。
老人保健情報を作ってやればよいのだ。
即ち、平成20年2月と3月(時期によっては1月も)に老人保健の資格を取得する予定の対象者の老人保健情報を、無理やり障害老健扱いにして作成し、2回目提供の老人保健情報に含めてやる。
そして、3回目以降の老人保健情報取込にて情報が更新されるから、その時点で差異があれば、一括作成分との差し替えを行えば良いのである。
この方法であれば、恐らく可能であろう。
もちろん市町村によっては予定対象者の老人保健情報の作成、特に負担区分の事前世帯判定は困難かもしれない。
それでもいい。
世帯判定が困難なら個人単位でおよその判定を行っても良いし、最悪全部「1割」として作成しても良い。
最初から全てオンライン作成するよりは、「3割」分全差替えの方が、はるかに労力が少ない。
あとはやるかやらないかの決断だけである。
タイトルを見ただけでピンと来た人には説明不要。
そして、それ以外の人に下世話な説明をする案件ではない。
(そもそも、このblogで過去に一回取り上げている話題である)
今のところ、それは一方向ではないし、回数や期間の制限もない。
誰でも思いつくことである。
そうでなくとも、いずれ「そういう団体の方々」がいやというほど宣伝してくれるであろうし、マスコミにも取り上げられるであろう。
野心的な社労士や行政書士やFPはこれをビジネスに結び付けるかもしれないし、下手をするとケアマネの裏バイトになるかもしれない。
県や市町村単独の医療費助成事業が充実していれば良いが、そうでなければこれは常態化する。
市町村窓口は、たまったものではない。
解釈でカバーするには限界がある。「こと」が起きたときに、最終判断を下すのは司法ということを忘れてはならない。
国民皆保険制度を堅持し、将来にわたり持続可能なものとしていくため、「保健」は「保険」になる。
全国の担当者はその意味を嫌というほど噛みしめているところである。
だが、これは「助け合い」の「保険」の根本を壊しかねない一文ではなかろうか?
歯止めをかける何らかの「武器」を現場に与えるべきである。








