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- 2006-1028 マスコミが公務員叩きをする理由
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昨日テレビで「許せん!公務員の厚遇!」といった類のことをやっていた。
何のことかと思ったら奈良市の技能労務職員の長期休業問題のことである。
またか、と思ってテレビを切った。
詳細についてはhamrasさんが、自身のblogで明快に語られているから、そちらを参照されたい。
マスコミはいつも本質や問題点をぼかし、「公務員」という被差別集団として一括りにしたがる傾向がある。
中古車販売店の整備士が電車内で痴漢を働いたところ、「許せん!ハレンチ自動車業界!腐敗した業界の体質」という見出しで報道されるようなものだ。
だが、そのおかしな行為がまかり通ってしまうところに、今の日本の恐ろしさがある。
ところで自動車業界といえば、リコール関連の不祥事の話題が記憶に新しい。
ある会社はマスメディアに完膚なきまでに叩きのめされたのに対し、ある会社は無傷である。不祥事の存在すら知らない人がいるかもしれない。
MyNewsJapanの記事によれば、これは莫大な口止め料がばら撒かれているからだという。
マスコミは営利団体である。決して慈善団体ではない。
損得勘定で白でも黒となるのは、マスコミでも例外ではない。
もちろん、人気企業に就職されている優秀な方々が、本質を見抜いていないはずがない。
ある筋の話によれば、「公務員叩き」は「皇室」と並び、安定して視聴率が稼げるネタなのだそうだ。
マスコミが儲かるためには、公務員は是が非でも悪人でなければならず、善意の奉仕者であってはならないわけだ。
しかし、本当にマスコミは公務員を叩いて儲かるのであろうか?
筆者がテレビ嫌いで新聞も信用しないのは以前からであるが、公務員となってからはより一層マスコミへの不信感が強まった。
筆者の女房殿はいわゆるテレビっ子であるが、ニュースや「その手の」バラエティは意図的に見ようとしなくなった。
これは全国の公務員の方々も同じ気持ちであろうと推測する。
当事者だけではない。
不当な差別を受け、待遇が悪化するとなれば、その家族も人事ではない。
現実と全くかけ離れたネタを元に、夫の仕事のことをテレビで悪く言っていたら、その妻は気分が悪いだろう。
当事者の労働環境を知る友人や知人であれば、テレビを見るのをやめるところまでは行かないかもしれないが、マスコミが公共電波で偏重報道と公然差別を行っていることは理解できるだろう。
公務員は異邦人でも宇宙人でもない。れっきとした日本人である。
総務省のHPによれば、公務員は約400万人、全人口の約3%である。
同じく総務省統計局の資料によれば、消費の中心となるいわゆる現役世代は約8500万人。つまりそのうちの約5%が公務員である。
5%の家族や友人を含めるとかなりの数になるだろう。
マスコミは公務員叩きにより非常に多くの視聴率を失っているといっても、現実味が無い話ではない。
それでもなぜ叩くのか?
それは市場原理を超えた、政治的理由に他ならない。
店長さんは自身のblogの中で「民主主義は戦略的兵器」と述べているが、良い得て妙である。
ヒトラーもマスメディアを操作し、全て「民主主義的手続」で独裁を完成させたことを忘れてはならない。